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身近な野草についてあれこれと・・・。 日本の山野草を種子から育ててみませんか?

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アキカラマツ

 キンポウゲ科の植物というのは、繊細で美しい花を咲かせるものが多く人を惹きつけるものがあります。たとえばレンゲショウマやキンポウゲの仲間、フクジュソウやニリンソウなどの春の妖精、オダマキの仲間、クレマチス・トリカブトもキンポウゲ科です。美しいだけでなくあるものは山菜として利用され、多くは薬用とされあるいは猛毒植物として忌避されたりと、様々な形で人間生活と関わりあっています。
 アキカラマツはそんなキンポウゲ科植物の中でも、この国で最も繁栄していると思われるものの1つです。
 日本全土の山野に自生しますが、山に近くて少し自然度の高い所では、どこででも見られます。木曽路では国道沿いの法面などにも盛んに進出し、数キロにわたって延々と花を咲かせているのに出会うことがあります。日当たりの良い所を好みますが、かなり暗い林下でも普通に見られ強い適応力を感じさせます。

アキカラマツ
 アキカラマツの葉はキンポウゲ科独特の形状をしていて、何度か見るとすぐにその仲間だと見分けられるようになります。2~4回3出複葉という形なのですが、これは1つの葉がまず3枚の小さな葉に分かれ、さらにそれぞれが3枚に分かれると2回3出複葉、さらに分かれた小さな葉が3枚に分かれると3回3出複葉さらに3枚に分かれて4回3出複葉ということになります。一つ一つの小さな葉の大きさは1~3cmで楕円形にしばしば少数の切れ込みが入ります。蒔絵模様を思わせる美しい葉姿です。葉質は薄く、表面に蝋を塗ったようで水を弾きます。オダマキの葉をご存知ならあの感じです。

アキカラマツ
91KB - 600 x 632
アキカラマツ
 オダマキなどのように下部で葉を茂らせずに、葉を展開しながら茎を直立して成長し、夏の盛りには高さ1m以上に達した先から円錐状の花序を出し、初秋ごろに小さな花を多数咲かせます。
 本来は茅原に適応した植物らしく、背は高くなるのに全体は軟弱で寄りかかる物がないとこの時期には半分倒れ掛かって斜めに花茎を出している固体にしばしば出会います。

アキカラマツ
74KB - 600 x 484 花は花序の先からほぼ一斉に開きます。開花時には人の背丈ほどになり、数百の花を咲かせるのでよく目につきます。花の色は黄緑白色と地味ですが風になびく姿は繊細で趣深いものです。

アキカラマツ
 黄緑白色に見えた花は白いガクと多数の黄色いおしべからなっています。花弁はありません。アキカラマツという名は秋に咲くカラマツソウの仲間という意味で、春に咲くカラマツソウの花はカラマツの芽吹きによく似ますが、アキカラマツの花はカラマツには似ていません。

アキカラマツ
 開花直後はおしべは小さく格納されていますが、丸一日ほどで下のように伸びてきます。画像ではめしべは花の真ん中に4個見えていますがもっと沢山ついている花もあります。4枚のガクはすぐに落ちてしまい、おしべも数日でなくなります。桜餅を思わせる香りがあったように思いますが、記憶が曖昧で定かでありません。

アキカラマツ
 開花後3週間の様子です。めしべの部分だけ残って少し膨らんでいます。痩果といって種子一つと皮だけの果実になり、晩秋に熟す頃には8mmほどの小さな巾着のようになります。画像が撮れましたらまた紹介させていただきます。
 
 アキカラマツは別名を高遠草(たかとおぐさ)とも呼ばれ、信州伊那の高遠で特産品の薬草として知られもとは民間薬であったのが、戦中戦後には胃腸薬として盛んに生産されたそうです。調べてみるとアルカロイドのベルベリンを含有しているそうなので、薬功は確かなようです。ベルベリンとはオウレンやキハダの薬功成分としても知られ、ある種の細菌群には抗生物質に匹敵する抗菌作用を発揮することで知られています。ただし毒性もあるそうですので、知識のない素人が安易に使用するのは控えたほうが良さそうです。
 
 色味が地味で観賞用には魅力が乏しいように思われがちですが、散りやすい花の頃よりも、実の成りはじめたころ、または晩秋に果実が熟して葉が黄色く染まった頃に切花にして季節の花と混ぜ生けにすると大変に味わいがあります。
 秋を彩る野の花ではもっとも好ましく思っている花の一つです。
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テーマ:野草の写真 - ジャンル:写真

コメント

はじめまして

あぁ、これこれこの葉っぱだわ…と、思わず目が止まってしまいました。

はじめまして。
以前から、時々お邪魔しては、勝手に勉強させていただいておりました(^^)。

こちらで 勉強してから出かけた 戸隠で、こんな葉っぱの
シキンカラマツを写真に撮ってきたんです、私。

春の清楚な白い カラマツソウ。
夏の華やかな紫の シキンカラマツ。
そして秋、優しい黄色の アキカラマツ。
同じ仲間なのに 個性豊かですよね。
素敵な写真と詳しい解説をありがとうございました。また、寄せていただきます。
よろしくお願いします。

  • 2005/09/07(水) 13:46:40 |
  • URL |
  • はもよう #hv3mJpi2
  • [ 編集 ]

この前行った

調布の野草園で見たのですが、もうひとつ良く分かりませんでした。
この解説で大変よく分かりました。ああ、そんな葉だったなあと思い出しています。
有難うございました。

  • 2005/09/07(水) 19:54:00 |
  • URL |
  • 横浜のおーちゃん #-
  • [ 編集 ]

はもようさん

こんばんは。
葉模様さんですか?
きれいなお名前ですね。
シキンカラマツをご覧になられたなんてうらやましいです。
そしてこの地味目なアキカラマツの記事にコメントいただいて嬉しかったです(^^)。
ありがとうございましたm(__)m。

  • 2005/09/08(木) 00:42:14 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

おーちゃん さん

この仲間は似たのが多いのと、
まったく違う仲間とも似ていたりして、
慣れるまで迷いますです。

記事を毎日拝見しているのですが、
私のお邪魔する時間帯は込み合っててなかなかコメントフォームが開きません。
ご無沙汰お詫びしますm(__)m。

  • 2005/09/08(木) 00:51:39 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

TBさせてください

ごまのはぐささん、こんにちは。
ご無沙汰ばっかりで、すみません。
それにしても、ごまさんの写真はいつも綺麗で解説も丁寧ですねー。
絶対図鑑よりわかりやすいです。
へたくそなクロの庭の写真にTBさせてくださいね。

  • 2005/09/15(木) 17:38:56 |
  • URL |
  • クロアジサシ #IcUDtGMA
  • [ 編集 ]

クロアジサシさん

まだ咲いているのですか?
うちの画像も解説もたいしたものではないです。
なんとか見ていただく方に失礼のないレベルにはしようと頑張っているつもりですが。。。

  • 2005/09/16(金) 00:15:20 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

写真は8月のものですが

ごまのはぐささん、おはようございます。
TBさせていただいた写真は8月に撮影したものですが、まだ少し花が残っています。

  • 2005/09/16(金) 08:46:35 |
  • URL |
  • クロアジサシ #-
  • [ 編集 ]

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