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身近な野草についてあれこれと・・・。 日本の山野草を種子から育ててみませんか?

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みぞこうじゅ 溝香じゅ (シソ科) 

ミゾコウジュ

 
 湿地や原野そして名のとおり溝端に群生する、腰の高さ程の二年草です。シソ科の野草としては珍しく、初夏に青紫の花を咲かせます。花自体は2mmですが、しばしば花茎とがくが紫色に染まり、遠くからでも目をひきます。離れてみると印象が同時期に咲く帰化植物のヤナギハナガサに似ていて、間違えられるかもしれません。
 サルビアの仲間に分類され、全草にセージに似た癖のある香気があります。実際薬効もあるようです。
 地味だといわれることもあるようですが、よく見ればいかにもハーブらしい爽やかな印象の、なかなか美しい野草だと気がつきます。

ミゾコウジュ

 野草や自然保護に関心をお持ちの方々には、ミゾコウジュというと、名前はご存知という方は多いのではないでしょうか?ほんの数十年前までは田んぼや河原の雑草扱い、それが一時は絶滅を心配されるされるまでに減ってしまった、日本の生態系の危機の象徴的存在ともいえます。
 除草剤と護岸・治水工事、農地の路傍の舗装化による生息地の破壊が主な減少の原因としてあげられています。
 最近では雑草同然とまではいかなくとも、なんとか最悪の事態は避けられそうな程度には回復したということです。回復の理由としては、無農薬農法の普及・環境配慮型開発への転換が主にあげられますが、案外重要なのは、この植物に関する知識の普及というのがあるのではないでしょうか。
 ミゾコウジュは決して無個性ではありませんが、特に気にかけるほど目立つ植物でもありませんので、今まで知られていなかった自生地が、一般からの情報で新たに判明したのだと思います。
 私たちは普段、自然保護や環境問題というと難しい、専門的な博識と熱心な活動が必要だと思い込み勝ちです。しかしほんの些細な知識と正確な情報があれば、大げさに構えなくても、誰にでも出来ることは幾らでもあるように思います。

 以前から私は淀川の河川敷でよく群生を見ていたのですが別にどうとも思わず、野草に興味を持ち始めてからも最近までてっきりイヌコウジュだと勘違いしていました。種子を採って撒いてみたところ、丈が伸びずロゼットを形成したので、図鑑で見直してミゾコウジュだと判明した次第です。
 淀川河川敷という過酷で競争の激しい環境下で生き抜いてきただけあって、特別乾燥に弱いわけでもなく、鉢植えでもほぼ放任で育ち我が家で開花しているのはすでに3世代目です。

 ところでミゾコウジュは発芽後まずロゼット葉を広げて冬を越し、春に茎を伸ばして花を咲かせる2年草です。図鑑等では「花期にはロゼット葉は枯れてなくなる」と書かれています。しかし手元で育てて観察していると、枯れるのではないことがわかります。
 ロゼット葉は枯れずに、そのまま茎の葉になるのです。伸縮自在の「指し棒」(先生が授業で使うあれです)の節々に葉を付けて伸ばすようだというと分かりやすいでしょうか?
 ミゾコウジュは春の一月足らずのうちに茎を1mまで一気に伸ばし、短い期間で結実枯死します。どうせ僅かな期間しか使わない茎葉を作るために、新たに資材を投入するのは経済的でありません。

クリックすると成長します。

 先日数年ぶりにミゾコウジュを見ようと、群生していた淀川の原野をを訪れてみました。
 そこには何面ものテニスコートと美しい花壇が広がり、水際はきれいに護岸整備されていました。ほんの瞬く間のあまりの変わりようでした。
 あんな強い草がなくなる筈がないと祈りつつ、残された原野をしばらく歩き回って、ようやく10本ずつの群落を二箇所見つけることができ、胸をなでおろしました。どうやら意識的に残されたようです。これは絶滅危惧指定が保護のためにプラスに働いた成果といえるでしょう。
 そのあたりは護岸工事のためにずいぶん減ってしまいましたが、時間の経過とともに再び盛り返して野を紫色に染める日もそう遠くないでしょう。ミゾコウジュは強い草ですから。規模はかつての数分の一になってしまったとしても。
 減ってしまったことを悲しむよりも、「名もなき雑草」であった野草のために、人間がほんの僅かとはいえ、その道を譲ったというそのことを喜ぶべきでしょう。

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