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淀川の堤防沿いを歩いていると、草むらに妙なものがぶちまけられていました。誰かがラーメンをこぼしたようにも見えます。海岸ならアメフラシの卵「海素麺」だと思ったでしょう。
しかしその正体は、アメリカネナシカズラというヒルガオ科の寄生植物なのでした。小中学校の理科の教科書にも出てくる、寄生植物の代表格のネナシカズラ・マメダオシの仲間です。
地面に根を下ろさず葉も持たず、葉緑素もなく黄色いツルだけが蔓延っているように見える不思議な植物です。

ネナシカズラの仲間は発芽当初は地中に根を張るそうですが、寄生相手を見つけると、寄生根を相手に食い込ませてまとわり付きつつ成長し、不要になった最初の根は枯れてしまうそうです。肝心なところがぼやけていますが、画像の下の部分に寄生根が見えています。寄生相手は草本なら特に選ばないようで、一番上の画像はガガイモに寄生していました。

ヨモギの仲間にがっちり絡み付いた様子です。いたるところから出た寄生根に食い込まれ、さすがに痛々しく見えます。夏の終わり頃に大きさ3mmほどの花を沢山咲かせます。

この仲間は外見はそっくりですが、花の形で見分けられるそうです。まず在来種のネナシカズラは花柱(アサガオの実の角になる部分)が一本なのに対して、アメリカネナシカズラは2本なので見分けられます。マメダオシは花柱2本ですが、アメリカネナシカズラは横から見ると花の中から雄しべが飛び出して見えるので違いが分かるそうです。
ところでかつては作物を荒らす害草として嫌われた在来のネナシカズラやマメダオシは、除草剤の影響か開発が原因か、現在では滅多に出会えないほど減ってしまったそうです。特にマメダオシは各地で絶滅が危惧されています。
反対に30年ほど以前に帰化した北アメリカ原産のアメリカネナシカズラは、日本各地で急速に勢力を拡大していて、都市近くの草地や荒地法面などで頻繁に見かけられるようになりました。元々は緑化用種子に混入して入り込んだと言われますが、その後の拡大は人為的要因が大きいと思われます。故意ではないでしょうが、人間が種子を各地に拡散させてしまったのでしょう。
知らぬ間にそっくりだが違う種とそっくり入れ替わってしまっているというのは、肌寒いものを感じます。

ツルに近付くと、大きさ1cmほどの丸い実のようなものが沢山見つかります。じつはこれは実ではなくて虫こぶといって、中にゾウムシの仲間の幼虫が寄生しています。寄生生物に寄生する寄生生物です。泥棒の上前を撥ねるなんて上には上がいるもんですが、寄生の関係はまだ終わらず、虫こぶのゾウムシに寄生するハチもいるということです。寄生生物に寄生する寄生生物に寄生する寄生生物です。そしてそのハチに寄生する生物もいるのです。
生態系というのは極めて複雑で多層的な関係で織り成され、表層だけのピラミッド型のヒエラルキーモデルでは理解しえるものではありません。
ネナシカズラの仲間は種子を保存して春遅くに草のそばに蒔くと、寄生するまでの様子が観察できるそうです。興味のある方は種子を少し採取して試して見られたらいかがでしょうか?ただしその後の処置は責任をもってお願いいたします。













