
コバイケイソウ(小梅草)ユリ科シュロソウ属の多年草。
北海道から中部地方までの亜高山帯の湿地や草原に群生。高さ50~100cm。有毒植物
たまにコバイケソウと誤表記されますが、バイケイソウに似て小型なのでコバイケイソウです。小型といってもバイケイソウと比べてのことで、亜高山帯に生える野草としてはかなり大型の部類です。
全体の姿はスマートさに欠けるように見られがちですが、花は清楚で高嶺の花と呼ばれるのに相応しい美しさです。


平地では夏真っ盛りの7月、高嶺ではようやく残雪が溶け切る頃に、大きなスイートコーンのような花穂を伸ばしだします。象牙色の花弁が下から順に開いて黄色いおしべの先を覗かせます。

花弁は6枚、おしべ6本、めしべの先が3本とバイケイソウと構造はよく似ています。しかし半透明で端正な花弁は精緻な宝飾品を思わせ、形が乱れがちで色も汚れて見えるバイケイソウとは印象が隔たります。

茎の上部に両性花、下部に雄性花が付き、花に異臭があるのはバイケイソウと共通しています。
ところでこのコバイケイソウも強い毒を持ち、バイケイソウのようにオオバギボウシ(山菜のウルイ)と誤食による中毒事故があるそうです。
しかしこれは初歩的な知識があれば容易に見分けられるはずです。それよりなにより、少なくとも本州では山菜の採取が許されるようなところに、コバイケイソウが生えているとは思えないので、中毒を起こすような人は知識もマナーも法律も知らない不心得者のようで、自業自得と言われても仕方なさそうです。
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毒草にご注意ください。
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