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不都合な真実

 「不都合な真実」というのはアメリカの前副大統領アル・ゴアがライフワークとしている「地球温暖化」の現状を訴えかける講演を映画化したというので話題になっている作品です。新聞・テレビなどで頻繁に紹介されるので皆さんもご存知だと思います。
大阪梅田の映画館では協賛企業テトラパックの援助で日曜日は500円で見られるということで、先日ありがたく鑑賞させていただきました。硬いイメージの映画にもかかわらず、大き目の劇場は満員、ごく普通の若者の比率が高く、この問題への普遍的な関心を感じられました。
 
 不都合な真実 公式サイトhttp://www.futsugou.jp/
 予告トレイラーはパニック映画を思わせる作りですが、アメリカでは地球温暖化の問題は関心が低く、興味をひきつけるためにあんな感じになったんでしょう。内容はとても分かりやすいですがいたって真面目です。

「一瞬だけ合衆国大統領だったアル・ゴアです」
その当人を目の前にしてはちょっとリアクションに困るようなジョークからこの映画は始まります。
アル・ゴアといえば、2000年大統領選挙で現大統領ジョージ・ブッシュ相手に一度は当確が報じられながら、結局は敗北を認めさせられたあの経緯を覚えていらっしゃるかたも多いでしょう。政治エリートの家に生まれ、子供の頃からひたすら理想主義的政治家としての英才教育を施され、アメリカ大統領になるために作られた「政治的サイボーグ」。エリート街道をほぼまっすぐに驀進し、ついに目指したその座を掴んだはず、のその刹那からの大転落。シェークスピアの悲劇より、カフカの不条理にたとえるべき状況。
私がこの映画を見たいと思ったのは、温暖化問題への関心はもちろんですが、高慢なぐらい自信に満ち溢れていた人物がその後どのような人生を送っているのかという好奇心もありました。意地が悪いと思いますが、本人もそういった見られ方は承知の上でしょう。これまでの経歴からこの映画も政治的野心からの売名という憶測あって当然でしょう。
ですがアル・ゴアが「一瞬だけ合衆国大統領だったアル・ゴアです」と口にしたときのなんとも照れくさいような困ったような表情は、人間の安っぽい憶測をを払いのけるものがありました。今この映画で私たちに語りかけているのは、サイボーグではなく1人の生真面目な人間に違いない、私にはそう感じられました。

 映画はこの4年間で1000回以上も行ったと言う温暖化の危機を訴えるスライド講演をほぼそのまま収録したものに、アル・ゴアの生い立ちや人生の一端を挟み込むという形で進みます。
 最新のデータや巧みなCG・アニメまで使ってとても分かりやすく、温暖化によって引き起こされる地球規模の危機を訴えていきます。温暖化の原因は炭酸ガス・メタンガスなどが大気中に増加することで、地球が大きなビニールハウス状態となり、太陽からの熱が宇宙に放射されずにこもり続け、地球全体の気温が上昇することだと言います。特に大気中の炭酸ガスの量と、地球の平均気温は相関関係にあること、そして現状では炭酸ガスの量がこの数万年で最も気温が高かった時期を遥かに凌駕していることがデータの積み重ねで力説されます。そして温暖化により引き起こされる地球の異変については公式サイトsceiencepegeで紹介されています。
 劇中ではもっと具体的に個別の解説がされていますが、中でも衝撃を受けたのは北極の氷が溶けることの地球環境への影響です。北極の氷はいわば巨大な鏡として太陽光を反射し、北極に降り注ぐ赤外線の80%を逃がしていたそうです。ところが温暖化の影響で氷の量が減り現れた海水面は赤外線の80%を吸収して水温はどんどん上昇し、北極の氷を加速度的に溶かしてしまっているのだそうです。この影響で北極の氷はどんどん後退し、氷上に生活するホッキョクグマには100kmも泳いだあげく上陸する氷壁にたどり着けずに溺死するものまで現れています。
 気温の上昇は熱波となり、世界各地で乾燥・砂漠化を引き起こし、海水温の上昇は巨大台風を次々に生み出します。劇中に流される、アメリカを襲った台風カトリーナによる洪水に取り残され、なすすべもなく助けを求める人の声が耳の奥にいつまでもこびりついています。

 数々のデータや映像は衝撃的ですが、より説得力を持たせていたのは、アル・ゴアの真剣さでした。1000回も講演した割には、間が悪く発音は明瞭でもあまり親しみやすい語り口とは思えません。表情もぎこちなく、やはりサイボーグっぽくどこか不自然です。しかし杓子定規なほどに生真面目に訴えかけるその姿勢には、真実を語ろうとするものの確信がありました。今のままのエネルギー消費を続ければ、温暖化は20年後には世界に破滅的な影響を与えかねず、世界の人口は急激に増え続け環境への負荷はその最低限の生活を支えるためだけでも限界に近づきつつあります。しかし間近に破滅が近づいているにもかかわらず、決して諦めないその姿勢は、人間(アメリカ人)の持つ強さを体現しようとしているようでした。
 この映画の題名は「不都合な真実」。これは現在でも地球温暖化と炭酸ガスは関係ないと言い張る人たちに、真実を受け止めるように呼びかける言葉です。これって日本人でいうところの「臭いものに蓋」って態度ですね。見てみぬ振り知らん振りは日本人の得意技ですが、この温暖化対策に関しては誇らしいことに日本は世界のトップを走っていますというか、走っているそうです。でも、皆さんは本当に世界に誇れるような生活を送られていますか?私自身「モッタイナイ」ではなく「メンドクサイ」になりがちです。行動するのがメンドクサイならまだしも、考えるのすらメンドクサイなんてのはせっかくの私たちの大きな脳みそがモッタイナイですね。
 
 この映画は世界が一体となって温暖化対策に取り組み、困難を乗り切ろうと呼びかけて、そのための具体的な提言を掲げて終わります。その提言を一言一句聞き漏らすまいと、エンドクレジットが流れ完全に映画が終わるまで、満員の観客は一人として立ち上がりませんでした。そしてみな一様に深い表情で言葉少なに劇場を立ち去るのでした。より多くの情報か答えを求めてか、多くの人がパンフレットを買い求めていました。映画からの提言は、「10の提言」として公式サイトからダウンロードできます。世界を変えるために政治参加を呼びかける提言は、民主主義への信頼を失っていないからでしょう。あのアル・ゴアがそう呼びかけるのですから重みがあります。
 多くの皆さんにこの映画を見ていただき考えていただきたいのですが、その基本知識については、わざわざお金を払わなくても容易に得ることができます。どうぞこれを機会に温暖化について、考えてみていただきたくお願いいたします。私たち自身の、ほんの少し将来の問題です。そしてイメージしてください。あなたの家族が、大切な人が、洪水の中に一人取り残され、助けを求めながら沈みゆく姿を。空想の話ではなく、今まさに起こっていることなのです。まだ間に合います。考え、行動し、変わりましょう。
 

 
 「不都合な真実」というこの言葉、個人的に深く考えさせられるものがありました。誰にでもあるものですよね。学校の机の奥でカチカチになったパンだとか、食べ過ぎて増えた体重だとか。けど目を逸らしていても何もよくなりませんよね、当たり前ですが。自分一人だけの問題ならいいのですが、誰かを巻き込むようなことの場合には逃げちゃいけない。当たり前といえば当たり前のことなんですが、しっかり肝に銘じなければいけないと思いました。
 映画の中で温暖化の現状を認めたくない人たちが、様々な方法で圧力をかけ、温暖化と炭酸ガスは関係ないと世論操作を行う様子が暴露されていました。その主役たちは政治家やマスコミ・企業トップなど教養があるはずのエリートと呼ばれる人たちです。思うに「人間なんてどうせ変わらない、変われない」なんてのは、変わると都合の悪い彼らのような人たちの発想なのではないでしょうか。その口車に乗せられて「『彼らにとっての』不都合な真実」を「『私たちにとっての』不都合な真実」だと思い込まされないように用心しなければいけません。私たちは困難を認識すれば、互いに励ましあい、変われるのです。
 アル・ゴアの提示するデータも、鵜呑みにせず自分で確認してみるべきでしょう。人間は自己の意見の正当性を主張するためには、自分に都合の良いデータを出し、そうでないものはしまって置くものです。幸い私たちはちょっとした手間を惜しまなければ、沢山の情報を知ることができるのです。

注意 研究や観測の引用は、常に最新のデータであるかを確認すること!!古いデータを意図的に混同して、あたかも最新の知見のように偽るという情報操作が溢れ返っています。

無知よりもっと悪いのは、知っているという思い込みである。 マーク・トウェイン
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コメント

私も観てきました!

お久しぶりです。
私も先日、「不都合な真実」を観てきました。
もっと難しい内容なのかと思っていたのですが、意外とゴアさんのお話が面白く、あっという間に終わってしまいました。
今日もIPCCの予測が発表されましたが、温暖化対策はもう待ったなしの状況ですね。
もっともっと多くの人が観てくれると良いのですが…。

  • 2007/02/02(金) 23:27:40 |
  • URL |
  • にがよもぎ #JalddpaA
  • [ 編集 ]

にがよもぎさん

むっちゃ申し訳ありませんm(__)m。
ゴアさんへのネガティブキャンペーンもすさまじいですね。
何が正しいか、自分の頭で考えてみないといけませんね。

  • 2007/03/06(火) 23:46:29 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

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