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まだ雪も溶けきらない早春に、必ずどこかのニュース番組か新聞でザゼンソウの開花の話題が報じられます。
昨年のことですが、やはり新聞の記事で湖東地方今津町(現高島市)に群生地があるのを知り、興味津々で出かけてきました。
地図を忘れて行ったのですが、国道沿いに立派な標識で案内してあり、駐車場もしっかり整備されていました。規模は大きくなく、交通量の多い県道沿いの住宅街の中に孤立した谷地に用水路から水が流れ込み、じくじく水の染み出す湿地に、観察用の木道と解説板が整備されていました。監視員兼解説員も配置され手厚く保護されているようでした。
暦の上では春とはいえ風は冷たく、竹が生い茂り日の殆ど差さない林庄に、紫色のむつきに身を包んだザゼンソウが群れ固まって座っている様子は、いわく言いがたく奇妙な眺めでした・・・。
親戚筋のミズバショウとはまさにネガとポジのように対照的な印象の花です。花を包む仏炎包を仏僧の紫衣に擬えたのは良い得て妙でしょう。
図鑑などでしばしば言及される悪臭を楽しみ(?)にしていたのですが、花が臭いのではなく茎や根を傷つけると、傷口から強力な悪臭を放つのだそうです。そうなると確認するのは無理な話で本当に残念でした。
当時は新聞などで紹介された直後のためかかなりの盛況で、駐車場には観光バスも停まってツアー客もぞくぞくと訪れていました。臨時の売店が設えられ寒天培養のザゼンソウの小苗が瓶詰めで売られていて、よく売れていました。家庭での維持・成長は難しいでしょうが、面白いアイデアです。「座禅草最中」もありましたが、こちらの人気は今いちでした。
マンホールの蓋にもザゼンソウのデザインが採用されていて、今津の町が地域ぐるみでザゼンソウを大切に守り伝えようとしているようでした。

今年の4月3日に再訪しましたが少しピークは過ぎているようで葉が大分伸びていました。(上の画像)
それにしても今年は昨年に比べて閑散として、人影も疎らで解説員もいず、売店も無しという寂しい有様でした。今年は紹介するメディアがなかったのでしょうか・・・。市町村合併で今津町が消滅したためか、マンホールまでなくなっていました。行く末に一抹の不安を感じざるを得ません。
ところでザゼンソウは自ら発熱して、寒中に暖を求める虫を誘っているそうです。細胞内のミトコンドリアに酸素を盛んに送り込んで、熱を発生させるのだそうです(これは人間が発熱するのと基本的に同じ原理です)。そのため早春の寒さの中でも包の中は15℃から35℃に保たれているのだとか。寒さに凍える虫たちの眼には、ザゼンソウの仏炎包は文字通り揺らめく炎のように写ることでしょう。
ザゼンソウは花が終わると次第に包が緑色を帯び、長さ1mを超える葉を出して、壮大な異相を顕します。湖東の自生地ではもう葉が随分と伸びていることでしょうが、その姿も十分に見ごたえのあるものと思います。
今丁度見ごろを迎えつつあるマキノのカタクリ群生地からは程近い距離にあります。今月中旬までに湖東にお出かけの予定の方は、カタクリを堪能したあとで、ついでに今津に立ち寄られることもお勧めしておきます。













