なずな 薺 アブラナ科
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私は最近韓国居酒屋がお気に入りで、足繁く通っています。世界一健康に良いお酒「マッコリ」が美味しくてもうすっかり病みつきなんです。でも私の一番のお目当ては本場風「ナムル」。通うたびに様々な野菜・山菜がナムルになって出てきて楽しいんです。セリやごまのは、ゆり(カンゾウ)の花、サルナシの茎、そしてつい先日はナズナのナムルがテーブルに並びました。へーっと思って店の方に聞いてみると、韓国では普通に食べているそうです。なんとラーメンに入れて食べたりもするとか。さすが「薬食同源」の国です。
それでそのナズナの味はといいますと、これがなかなかに美味しいものなのでした。癖がなくて、ほんのり草と土の味がして歯ざわりはシャキシャキ。食べ易くて野菜嫌いの人にむしろお勧めって感じです。
ナズナは春の七種の一つですが、この七種の習慣はもともと大陸から朝鮮半島を経て齎(もたら)されたものだそうです。ナズナの名も朝鮮語起源ということです。それどころか史前帰化植物といって、このナズナ自体が太古に野菜として持ち込まれたものらしいのです。だから人里以外ではほとんど見かけません。
薺(なずな)という漢字見ると私はいつも齎(もたら)すという漢字を思い出します。この雑草の代名詞とも言えるありふれた野の花は、実は遥か海を隔てた人々の、数千年にわたる交流の生きた証でもあったのです。
数千年の時間を経て、人間の暮らしは変わり続けています。
花後の実を三味線のバチに見立ててペンペン草という別名は、いつまで生き残ることができるでしょうか。
耳元で振ってしゃらしゃらと涼しげな音を聞く素朴な遊びを知る子供は、まだいくらかはいるでしょうか。
でもいつの日かペンペン草だナズナだと呼ぶ人間がこの国からいなくなってしまっても、この丈夫で健気な野の草は、きっと変わらずに小さな白い花を咲かせているんだと思います。かつてはいたニンゲンという生き物の生活の、生きた証として。













