ともえそう 巴草 オトギリソウ科

山地の林道沿いや茅原・湿地に自生し、真夏から初秋という登山シーズンに咲くオトギリソウの仲間です。まっすぐ伸びる主軸、半ばから上で枝分かれする草姿、質薄く蝋を葺いたようなような葉が対生するところなど、この仲間はどれも本当によく似ています。しかしこのトモエソウは、少なくとも花の時期には見間違えることはなさそうです。花は径4cmにもなり、草丈も50〜120cmとこの仲間では特大です。

レモンイエローの花にはたくさんのおしべが目立ち、キンシバイによく似ています。めしべの部分はふくらみ先は5本に分かれています。このめしべの部分が後にどうなるか覚えていてください。

トモエソウの名の由来はスクリューの羽のような花弁の形によります。巴という字に似ていますね?
巴という字はおたまじゃくしが円く回っているような紋章からできた文字で、2匹回っていると二つ巴、3匹回っていると三つ巴です。源義仲の伝説の愛妾巴は、この紋を愛用していたので巴御前と呼ばれた(つまり本名ではない)そうです。

このオトギリソウの仲間は葉やガク・花弁などに黒い線が入ったり、葉に白や黒・褐色の点が見られるものが多く、種の同定の決め手となりますが、トモエソウには黒点や黒線がなく、葉に明点という日にかざすと透ける点々だけが葉の中にまばらにあり、花がなくとも区別できます。

野の花とは思えないほど華やかな姿の花ですが、一日花ですので質の薄く脆い花弁は夕方には縮れて、おしべも落ちてしまいます。昆虫に目立つには十分な大きさですので、受粉するには半日もあれば足りるでしょう。しかも沢山の蕾を出して毎日咲き継ぐために、省エネで独特の花弁の形になったのでしょうか?中央部にはおしべが沢山あって、花弁の隙間もカバーしてくれます。実際花の耐久度はたいへん低く、少し大きな蜂が止まると花弁はすぐに傷み、おしべも簡単に崩れ落ちてしまいます。これだけ沢山花粉を出していれば、受粉のために何度も訪花してもらう必要はありませんので理にかなってます。


果実は晩秋に熟し、葉枯れとともに乾燥して開きます。中は5つの部屋に分かれそれぞれに長さ1mmほどの茶褐色の種子が充満しています。上の未熟な果実の画像では無くなってしまっていますが、めしべの先は普通は残っていて5つに分かれた先に一つずつついています。

茎は丈夫で硬く冬枯れの季節にも果実を沢山つけたまままっすぐに立っています。中国ではこの姿を連翅というかんざしに見立てて、トモエソウのことを大連翅と呼ぶそうです。大とつくのはこれより小さい小連翅(オトギリソウ)と比べてのことでしょう。
この枯れたトモエソウはドライフラワーとして使われ、時に彩色して土産物屋や雑貨屋に並びますので、ご覧になったことがあるかも知れません。
オトギリソウの仲間は強健で栽培の容易なものが多く、特にこのトモエソウは花も大きく美しく、庭に植えて楽しむのに適しているものと思います。
春に種子を蒔けばとてもよく発芽しますので、肥培すればその年の夏には開花株となります。挿し芽や株分けでも増やせますが、実生でいくらでも増やせますので、そちらの方が楽です。
多年草ですが、数年ごとに更新しないと弱ってきます。特に鉢植えは植え替えを怠ると、根が詰まって弱り、いつの間にか消滅してしまいます。
ほんのり紅い春の芽出し、夏に次々と開く美しい花、秋の紅葉、晩秋の枯れ姿と、四季ごとに見所の多い野草です。
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コメント
有り難うございます
今やっとウシタキソウが綺麗に咲いています
種子から育てると嬉しさ100倍ですね!
有り難うございました
さくらさん
花の開花報告ありがとうございます。
実のなる様子や草紅葉も楽しめますので
どうぞ可愛がってやってくださいm(__)m。
- 2006/09/01(金) 07:48:50 |
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- ごまのはぐさ #-
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撫子
トモエソウはまだなのですが、いまカワラナデシコが咲いています。
ところが、実家で8月半ばに咲いたものと比べると、色がかなり違います。
TBさせていただきますので、一度、見てみていただけますか?
実家では、ジュズダマもなり、クソニンジンやレモンエゴマも頑張っているようです。
noelさん
ありがとうございます。
特にいい色に咲きましたねー。
ナデシコは生育状態・気温で色が変わります。
夏の花は淡く、秋の花は濃くなります。
レモンエゴマは醤油漬けでぜひご賞味ください。
- 2006/09/07(木) 22:26:32 |
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開花報告
ごまのはぐささんからいただいたカワラナデシコ(河原撫子/ナデシコ科)がさきました。広島の実家ではもっと早く咲いていたのですが、母にこの写真を見せたところ、色はこちらのほうがかなり濃いようです。<追記>▼母が撮った写真で、しかも曇りの日なのでブレており、比
- 2006/09/07(木) 00:51:10 |
- 荒れ庭の花たち













