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身近な野草についてあれこれと・・・。 日本の山野草を種子から育ててみませんか?

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からすのごま 烏の胡麻 シナノキ科

カラスノゴマ

カラスノゴマ

 カラスノゴマは山野の路傍や畑・岩場などに生えるという一年草です。草丈は30cmから50cmほどで草姿全体の印象は、ホウヅキを小型にしたような感じですが、葉は質が薄くカサカサして全体に細かい毛が密生しています。
 初秋に咲く花は径2cmほどで黄色い5枚の花弁が輝くようで、間近に見ると美しい花なのですが、葉の脇に隠れるように俯いて咲くため、野原ではあまり目立たない存在かもしれません。
 私は名前が面白いので興味を惹きつけられて知人から種子を譲り受けたのですが、育ててじっくり観察してみると面白いのは名前だけではなく、図鑑などでのパッと見の印象よりもずっと個性的で魅力的な植物なのでした。

カラスノゴマ

 カラスノゴマの花は、めしべを取り囲んで長く伸びた、5本の仮おしべという花粉を出さないおしべが特徴的です。めしべの根元にあるくの字型に曲がった短いのが本物の花粉を出すおしべです。
 仮おしべというのは、自身は花粉を出さないのに、なんでこんなに威張っているのでしょうか?この仮おしべの役割というのは、諸説あるようですが私は、自家受粉するためにあるのではないかと推測しています。
 咲き始める前の仮おしべは短くて、おしべに半ば埋もれています。その時にはおしべは既に葯を開いて花粉を出していますので、仮おしべには沢山花粉がまぶされることとなります。やがて花が開くと仮おしべがにゅにゅーっと伸びて、めしべの先に花粉をくっつけて受粉させるのです。まだるっこしいようですが、この方法だと昆虫によって花粉が運ばれて他花受粉される可能性も十分あり、もしも昆虫がこなくても、自家受粉によって確実に種子を付けることができるという仕組みです。他花受粉するためには、あるいは花粉を出さない雌性花があるかもしれません。

カラスノゴマ

 受粉した花は下向きに角状に細長く伸びて3cmになり、ぶら下がります。なかなかユーモラスな形ですが、秋に熟して裂ける様子はさらに興味深いものです。


カラスノゴマ

カラスノゴマ
 筒状に見えた果実は、実は豆の鞘のように縦に切れ込みが入っていて、熟すと乾燥して縮んで割れてきます。
カラスノゴマ
 種子は径1.2?くらいでちいさな松かさのようです。ご存知の方なら、コバンソウに似ていると思われるかもしれません。
カラスノゴマ
 鞘が完全に剥れました。果実の中では種子はらせん状の一本の糸上のものに3個ずつひとかたまりで繋がっています。強い風が吹くとパラパラと崩れて落ちていきますが、多くはこの状態でけっこう長い間ぶら下がっていました。

 カラスノゴマの名は種子がゴマ粒に似ていて大きいからという説明がありますが、あまり似ているとは言えず、説得力に欠けるように思います。私は果実の形が特徴的で、ゴマに似ているからというほうが納得がいきます。あるいはエゴマの種子に質感が似ているので、カラスノエゴマとするべきところを間違えたのでしょうか?
 どちらにしても、なんで大きいからカラスやねん、という疑問が残るわけですが・・・。人には食用にならないが、鳥が上の画像のようにぶら下がっているのを啄ばむのでしょうか?
 
 ところでカラスノゴマが分類されるシナノキ科のシナノキというのは、あまり聞き慣れない名前ですが、リンデンバウム(西洋シナノキ)の仲間だと言えば思い浮かぶ方も多いと思います。木の姿は知らなくても、リンデンバウムは菩提樹とも呼ばれてシューベルトやマーラーなどの歌曲でもおなじみですね。エキゾチックなイメージから私は「支那の木」だと思い込んでいたのですが、調べてみるとアイヌ語で「結ぶ」という意味のシナから取られたのだそうです。樹皮を剥いでロープや布地の材料として盛んに利用したのだそうで、長野県の国名「信濃」もシナノキが多い土地だという意味で付けられたそうです。なかなか美しく風情のある木のようですので、今年は探してみようかと思います。
 シナノキは樹高20mにもなる高木、かたやこのカラスノゴマは小さな1年草、とても同じ仲間とは思えませんが、有名なリンデンバウムの親戚だと思いながら見ると、カラスノゴマもなかなか趣き深い草姿をしています。

 栽培は大変にやさしく、良く日に当てて水をたっぷりやるだけで良く育ち花も沢山咲きました。
 鉢植えで育てると若木のようにコンパクトに育って、風にそよぐ小さな葉が涼しげで、秋には赤銅色に紅葉するのが美しく、長く楽めました。草物盆栽用としても、観賞価値は十分にあると思います。
 1年草は毎年種子蒔きををするのが面倒だと敬遠される方もありますが、野草の場合は強健で育てやすいものが多く、栽培初心者の方には入門用として是非ともお勧めしたいものです。
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テーマ:野草の写真 - ジャンル:写真

コメント

奥が深い

シナノキ科とカラスノゴマがなかなか結びつきません。
ベルギーで菩提樹を見たのですが。
お花から種までずっと見させていただき有難うございます。
植物本当に奥が深く、不勉強な私はまだまだ野草までいきそうにありません。

  • 2006/01/17(火) 15:17:16 |
  • URL |
  • tona #-
  • [ 編集 ]

tonaさん

お返事遅れてすいませんm(__)m。
最近バタバタしてまして、なかなかパソコンの前に腰を落ちつけて、という時間が取れません…。
ベルギーのボダイジュ、花は咲いていたのでしょうか?似た花が咲くのでしょうか。ほんとに同じ仲間とは信じがたいですね。
こちらこそtonaさんには色々と教えて頂いております。どうぞよろしくお願いしますm(__)m。

  • 2006/01/20(金) 08:42:06 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #ciZ.EuIc
  • [ 編集 ]

不勉強なもので、カラスノゴマという野草を初めて知りました。
面白い草ですね。
仮おしべというのが、興味深いです。
「カラス」というと「スズメ」がセットになっている印象があるのですが、スズメノゴマはないようですね。

  • 2006/01/21(土) 19:19:45 |
  • URL |
  • まこぷー #5JVfOJhc
  • [ 編集 ]

まこぷーさん

お返事遅くなりましてすいませんm(__)m。

一見面白みがなくても、野草はそれぞれ個性的で巧みな生き方をしていますね。
育ててみて初めて気付くことばかりです(^^)。
カラスやスズメは多いのに、ハトはハトムギくらいですね。
これも不思議です。

  • 2006/01/24(火) 08:05:52 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

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