ごまのはぐさのこまごまことのは

身近な野草についてあれこれと・・・。 日本の山野草を種子から育ててみませんか?

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やまおだまき 山苧環 キンポウゲ科

ヤマオダマキ

ヤマオダマキ

 花壇に植えられるオダマキといえば、少し以前までは青空のような色をした爽やかな印象の花を連想するのが普通でした。しかし俯き気味で咲く花は変異に乏しく、園芸界ではどちらかというと地味な存在でした。それが現在では海外から西洋オダマキ・カナダオダマキ等を基にした色とりどりの豪華フリフリの交配種が輸入されるようになり、その属名のアキレギアといえば今やスターの座に君臨していると言って過言ではないほどの人気を博しています。

 わざわざ『西洋』オダマキというからには、それに対する日本に自生する仲間の2種が古くから知られています。一つは高山に自生して清楚で可憐な青い花を咲かせる小さなミヤマオダマキで、これは花壇に植えられるオダマキの原種とされています。
 そしてもう一つが今回紹介させていただく、渋好みのヤマオダマキです。

 ヤマオダマキは日本各地の低山の草原や林縁で普通に見られ、全体蝋質の膜があります。以前紹介したアキカラマツに似て、小葉が扇形のなる葉を株元からを茂らせ、初夏に高さ50cmほどになる花柄をまっすぐに伸ばします。
 
 花はどう説明していいか分からないユニークな形です。とんがり帽子のように上に跳ね上げたシッポの先がくるんと曲がって小さな球になっているのが可愛いいですね。どんな構造になっているか、下の画像をご覧ください。まず外に5枚付いているヒラヒラ花弁に見えるのが実は花弁ではなくガクになります。下を向いておしべのまわりを円く囲んでいるのが花弁で5枚あります。シッポはこの花弁に繋がっていて、距といいます。そして先っぽの小さな球には蜜が溜まっていて、虫が潜り込むようになっています。途中でおしべに体が当たって花粉が運ばれる仕組みです。内側にくるっとしているのは蜜がこぼれないようにだったんですね。
 こういう距に蜜をためる構造の花というのは、しばしばアリに外側から食い破られるのですが、ヤマオダマキでは花茎の上部がベタベタ粘液で覆われているので滅多に被害にあっていません。
 花はもろく崩れやすく、受粉後下を向いためしべが残り、次第に上を向いて膨らみます。熟すと内側が裂けて口を開き、風が吹くたびに隙間から黒い種子が零れ落ちます。
ontakesan-5-29.jpg

ヤマオダマキ

ヤマオダマキ
 
 ヤマオダマキはその形と渋い色合いから、茶花とされたりまた日本庭園にも好んで植えられてきました。まだ各地の民家近くでも見かけられるのは、この花の味わい深い姿が愛されて、刈り取らずに残されるためでしょうか?
 種子からの栽培が楽で発芽から2年ほどで開花株となります。平地では寿命が短くなるそうですので、数年に一度種子を蒔いて更新したほうが良さそうです。ハダニ対策もしましょう。
 豪華で色鮮やかなアキレギアも素晴らしいとは思いますが、ヤマオダマキの花もまた風情があって大変好ましく、また本来自生のものですの育てやすいものです。
 
 距とガクがえんじ色に染まるのが普通で、全体黄色っぽいものをキバナノヤマオダマキとして変種扱いするそうですが、私の知る限りではえんじ色にならない方が多いようです。

 はもようさんのお庭のセイヨウオダマキの記事で触れられている「ひいお婆さんの愛された信州の山のオダマキというのは、このヤマオダマキのことでしょうか?
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テーマ:野草の写真 - ジャンル:写真

コメント

わぁ、ありがとうございます。(^^)

おはようございます、ごまのはぐささん。ヤマオダマキ♪綺麗ですねぇ。

私の祖母(うちの子達にとってはひい婆ちゃん)が親しんだ花はね、
たぶん、ミヤマの方だと思うんです。青い色が好きだったので。

オダマキの花の 構造解説もありがとうございます。
ふふふ…、これが知りたくて育てて居たんですが、手間が省けました。(^^)らっきー♪
ひい婆ちゃんが好きだったオダマキなのに、花だんで見るのは似ても似つかぬ花ばかり。
何でかな~?と眺めているうちに、
あんなにもこんなにも変化する余地があるんだなぁ…どんな造りなのかな?なんて思うようになって。
でも、余所んちの花を解剖するわけにはいかないので、取りあえず、セイヨウを蒔いてみたんだけど…。

もうちょっと早くに こちらを知っていたら、在来種を育てられたのかも~なんて残念に思ってました。
今日はとっても綺麗な花を見せていただいて、嬉しいです。ありがとうございました。(ぺこり)
のちほど、TBさせていただきますね。

  • 2005/11/29(火) 08:33:22 |
  • URL |
  • はもよう #hv3mJpi2
  • [ 編集 ]

黄花

おはようございます。

>距とガクがえんじ色に染まるのが普通で、全体黄色っぽいものをキバナノヤマオダマキとして変種扱いするそうですが、私の知る限りではえんじ色にならない方が多いようです。

ごまのはぐささんの活動範囲では黄花が多いのですね。
秩父山中で自生している山苧環は臙脂色です。(あくまで私の知る範囲でですが)
いまだかつて山野で自生する黄花苧環を見たことがないので、図鑑で見る黄花苧環は希少種なのだと思っていました。
でも、もしかすると土地によって偏在するのかもしれませんね。

  • 2005/11/29(火) 10:08:49 |
  • URL |
  • めいはは #btZpEJqY
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いい花ですね。

ほとんどクリーム色と淡い黄色、柔らかな色合いがいいですね。
山地のこもれびの中で静かに光輝いているところ、
ちょっと朝露にぬれて、花弁がすけたようになっているところ、
色形、どこをとっても文句のつけようのないほど素晴らしい花だと思います。

子供のとき、家の花壇にあったのは、やはりセイヨウオダマキでした。
初めて山に咲くヤマオダマキを見ることができたのは、
もうずっと後のことで、とてつもない高嶺の花に出会ったような
すごい感動がありました。

この花のあるその周囲の環境や空気感がたまりませんね。
林道を歩いていると、林縁部にこの花が
きれいに並んで咲いて、まるで
そこから先は、踏み込んではならないような
聖域を示しているように思えてしまいます。
その一歩、ちょっと待てって、ブレーキがかかって、
なかなかなカメラを向けることができないのでした。。。

  • 2005/11/29(火) 10:11:05 |
  • URL |
  • hanaboro #-
  • [ 編集 ]

すてきです。

どの写真も素晴らしいですね。
リアルのオダマキを見たことがないのです。
見てみたいという気持ちに拍車がかかっちゃいました。
こちらの紹介で、もはやヤマオダマキのとりこです。

以前、外国で咲いていた派手な真っ黄色のオダマキの写真を見せていただいたことがあります。花の部分だけの写真だったので写真の縦横も判断できませんでした。(-_-;)

  • 2005/11/29(火) 17:00:19 |
  • URL |
  • kuu #9L.cY0cg
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わーい

いただいたタネはなんとか無事成長しています。
小さい葉の状態でも「オダマキだなぁ」と楽しく眺めています。
こんな素敵な花が咲くのですね!
とても楽しみです。
無事成長しますように。

  • 2005/11/30(水) 00:30:19 |
  • URL |
  • WAKA #RVp6i8PI
  • [ 編集 ]

勘違いしてました

ヤマオダマキ いったらキヤマオダマキと思い込んでいました。ヤマオダマキで索引しても ・黄色・とこの色 二種があがっているのもありました。自然に咲くものの知らない強みでしたか、反省です。またカワラケツメイ 今年桜の盆栽に黄色の花つけていました。これもヒョットして雑種でしょうかね、

  • 2005/11/30(水) 21:25:04 |
  • URL |
  • y-san3737 #-
  • [ 編集 ]

はもようさん

いつもありとうございます(^^)。
はもようさんの記事を見て急遽画像を探し出したんで、
ちょっとやっつけっぽくなってしまいましたm(__)m。

解剖するために育てるとは・・・さすがですね。
機会がありましたらお声をおかけください。
ysanさんからいただいたミヤマオダマキもありますよ。

  • 2005/11/30(水) 23:52:23 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

めいははさん

情報ありがとうございます。
各地の情報がすぐに集まるのがネットの面白いところですね。
ゲンノショウコ同様偏在傾向があるかもしれません。
いつか調べたいですね。
おんたけではほとんど黄色か薄いピンクなんですよ。

  • 2005/12/01(木) 00:06:45 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

hanaboroさん

とっても素晴らしいコメントをありがとうございました。
これこそ心に残る花への手紙ですね。
読み終えてじんときました(/_;)。
栽培しても美しいですが、
野にあってこそ美しい花の代表格ですね。

  • 2005/12/01(木) 00:16:40 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

kuu さん

写真だとだいたい下から撮りますから横向きにみえますね(^^)。
鉢植えならあまり邪魔にならないのではないですか?
特に臙脂のほうは、お庭の景色に馴染みやすいと思います。
実物は西洋種に劣らず物凄く印象深いですよ。

  • 2005/12/01(木) 00:23:47 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

WAKAさん

お世話になっておりますm(__)m。
発芽してよかったです(^^)v。
花が咲くようになるまでごぼう根を充実させますので、
再来年あたりまでしばしおまちくださいm(__)m。
とても丁寧な管理をされるので大丈夫ですよ。

  • 2005/12/01(木) 00:27:27 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

ysanさん

実際には中間色も多く、厳密には変種とすら呼べないかもしれません。
カワラケツメイは後ほどうかがいますね。

  • 2005/12/01(木) 00:30:12 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
  • [ 編集 ]

歌舞伎

1回だけ、歌舞伎座へ行ったことがあるのですが、そのときの演目が「道行恋苧環(みちゆきこいのおだまき)」でした。
不思議な語感なので「おだまき」という言葉だけは頭に残っていたのですが、調べることもしなかったので、植物であることも知りませんでした。
静御前の「しずやしず しずのおだまき……」の歌もありましたね。
これらは、どちらのオダマキなんでしょうか?

そんなわけで、ヤマオダマキの種子をいただき、うれしく思っています。
他のものより遅めでしたが、発芽しはじめました。

  • 2005/12/03(土) 01:07:45 |
  • URL |
  • noel #z6XohUmo
  • [ 編集 ]

noelさん

コメントが前後してすいませんm(__)m。
浄瑠璃・平家が好きなんで本で調べてたらついついそちらに熱中してしまいました。
どちらも糸車のことですね。因果の糸を絡め取るそういう意味合いですね。
あー、文楽見に行きたい・・・。

ヤマオダマキは咲くのはたぶん再来年、気長にお願いしますm(__)m。

  • 2005/12/03(土) 11:10:28 |
  • URL |
  • ごまのはぐさ #-
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  • 2005/11/29(火) 08:44:47 |
  • 公園おさんぽ日記

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