ごまのはぐさのこまごまことのは

身近な野草についてあれこれと・・・。 日本の山野草を種子から育ててみませんか?

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まぼろし

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先日おんたけの麓を車で通り過ぎるとき、ちらりと見えた草原が、一面蒼く染まっているのが見えました。
なんだろうと思いつつ、どうしても気になって行き過ぎた車を反して見ると、果たして草原一面を蒼いヤマエンゴサクの花が埋め尽くしていたのでした。







何十回と通り過ぎた、普段は何の変哲もない草原が、早春のほんのつかの間、美しい花の絨毯で敷き詰められる。その幻のような瞬間に出会えた幸せ。
その地に暮らすお百姓さんには見慣れた光景なのか、気にも留めず草原を横切っていきました。
しかしこの美しい景色の中に溶け込んで、働けることのなんと幸せで羨ましいことでしょうか・・・。

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野草の発芽いろいろ(3)

 当初シオガマギクの苗として紹介した画像は、エゾカワラナデシコの苗と取り違えておりました。お詫びして訂正・削除させていただきますm(__)m。

 パラサイト(寄生植物)2種。
 以下の2種は半寄生植物といって、地上部では自ら光合成をしながら、地下では根を他の植物の根に寄生させて養分と水分を横取りすると言われています。


タチコゴメグサ(ゴマノハグサ科)発芽2日目 子葉1?強。

発芽後10日 子葉の長さ2mm弱。
フトボナギナタコウジュ(シソ科)の鉢に播種。イネ科の植物の根に寄生するというが、シソ科の根にも寄生するか継続観察したい。


コシオガマ(ゴマノハグサ科)発芽後7日 子葉の長さ約2mm。
ヤマノコギリ(キク科)の鉢に播種。これもイネ科以外に寄生するか観察したい。
見難いですがすでにアブラムシにパラサイトされています・・・。

どうか宿主ともども無事に育ちますように。

ベビィ・ピースの昼と夜

お空にお日さんがあるとき\(^o^)/


お空にお日さんがないとき(-_-)zzz。


お日さんがあるとき\(^o^)/


ないとき(-_-)zzz。


あるとき\(^o^)/


(-_-)zzz。


マメ科の植物は朝になると開いて、夜になると閉じています。これを就眠運動というそうです。
もし眠れないと、睡眠不足でかれちゃうそうです・・・。(半分ほんと)
興味を持たれた方は、お調べになられてみては( ..)φ?

最初の画像 クララ 満2歳(マメ科)
後の4枚 タヌキマメ 生後1~2週間(マメ科)

みちのくふくじゅそう みちのく福寿草 キンポウゲ科

 木曽路は全て山の中、そのさらに奥深い山の奥、御嶽の麓の山里では、4月に入ってようやく梅の花がほころび始めます。そして待ちかねたようにミチノクフクジュソウが一斉に芽吹き、あちこちの日溜りで山吹色に輝く花弁を広げ始めます。

4月初旬芽出しの頃

 御嶽の里では、畑の畦、河原の土手、民家の軒先、梅林の下・・・といたる所で見られその数もおびただしく、小高い丘が埋め尽くされて黄金色に輝いて見えることもあります。あまりにも数が多いので、最初タンポポが群生しているのだと思い込んで気付かず通り過ぎるほどでした。
 タンポポと勘違いしたのには、もう一つ理由があります。私はフクジュソウというのは林床に咲く花だという思い込みがあったのに、木曽では草はらや土手にばかり生えていたのです。実はこれは、木曽のフクジュソウが、正確にはミチノクフクジュソウという独立した種で、フクジュソウが林庄に適応しているのに対して、ミチノクフクジュソウはもう少し明るい、林縁や草はらを好むためのことでした。(両種の具体的な比較に関しては、近く別項を設けさせていただきます。)

 梅林や民家近くに多いのは、縁起のよい植物として、人の手によって植え広げられたのだろうと地元の方に伺うと、返ってきた答えは私の予想を超えるものでした。
 複数の方からの聞き取りでは、元々は御嶽には自生がなかったというのです。80~60年ほど昔に誰かが里に持ち込んで、その後現在に至るまでの間に広大な御嶽の麓の村々に、にわかに広がったのだというのです。
 繁栄の直接的な要因としては人為的な移植と、アリによる種子の伝播が考えられます。しかしそれ以上に重要なのは、冷涼な気候と、路傍・草はらの適度な管理が現在までなされてきたことでしょう。日本のような湿潤な気候では、人間による草刈などの干渉が行われないと路傍や草はらは瞬く間に樹木や藪が覆ってしまい、フクジュソウのような小さな草は住めなくなってしまうからです。加えて通常草刈が行われない早春に芽生えて初夏までに姿を消す生活サイクルが有利に働くのだと考えられます。そして何よりこの美しい植物を守り育てたいと願う人間の心が、フクジュソウの繁栄を支えてきたのだと思います。

 国内のこととはいえ、本来自生がなかったものが定着蔓延することは、問題なしとは言えませんが、フクジュソウの存在が人々の自然への意識を高め、フクジュソウを守るための土地管理が結果として同じ環境に生きるイチリンソウやヤマエンゴサク等の在来野草をも守る結果となっている点も見逃せません。

 ところでこのミチノクフクジュソウはフクジュソウとの関係で、興味深い分布例が見られます。互いの自生地が連続的でなく、一部が飛び地的に見られるのです。ミチノクフクジュソウは木曽の他に北陸では福井県に孤立して大規模な自生地があるのですが、あるいはこれも人間による持ち込みの可能性もあるのではないでしょうか?あるいは木曽の株が福井から持ち込まれたものかも知れません。
 実際がどうであれ、フクジュソウについて考えることは、人間と自然が対立・共生を超えて密接な関係を結びながら共に歩んできたこの国の歴史を考える端緒にはなると思います。

 先日(4月23日)訪れた御嶽の路傍でも、ミチノクフクジュソウの花が日に照らされていっぱいに花弁を広げていました。一輪の花の中でハナアブがじっと佇んでいるのを見つけました。うららかな日差しを浴びてうつらうつらと春眠を楽しんでいるようでした。

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淀川ちっちゃいもの倶楽部(3)


今回の主役はハナイバナ(ムラサキ科)。10cmくらいの茎に2mmくらいのちっちゃい水色の花を咲かせます。
同じ場所に生活する仲間のキュウリグサ(ムラサキ科)やマーシュ(オミナエシ科)と間違えられてしまいます。


キュウリグサはくるりんカールの花序を出します。
花の真ん中の黄色が目印です。


マーシュは茎の先にだけ花を密につけます。葉はすべすべ。


ハナイバナは花序を出さないで、茎のところどころで葉の内側に奥ゆかしく花を咲かせます。だから「葉内花」?花の真ん中は黄色くありません。葉はざらざら。


間違えないとは思いますが(^^)、ワスレナグサの花です。

見つかるかどうか、草っぱらを探してみましょう。

おんたけ山へ行ってきました

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 一昨日深夜より今日昼ごろまで、信州木曽御嶽山へいってまいりました。
 裾野ではフクジュソウ咲き乱れ、中腹ではミズバショウが芽吹き、いよいよ遅い春の到来です。

 さておんたけは、わたくしことごまのはぐさが毎年二十数回にわたって通いつめる、いわば第二の故郷のようなところでございます。
 これからは折に触れ、おんたけに咲く可憐な野の植物たちの紹介記事を投稿させていただこうと思います。
 ご覧になられた方々に、おんたけとその自然の素晴らしさの100万分の1でもお伝えでき、皆様に少しでも愛着を抱いていただければ望外の幸せでございます。

ミヤマキケマン 

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ミヤマキケマン ケシ科の越年草。

庭の植物 AtoZ 2005-03-01投稿記事『キケマン?』同定支援。


花のアップ。


苞葉。鋸歯がある。


葉。羽状に裂け、さらに小葉が深裂。

参考になりましたでしょうか? 

忘れな草

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 ユキトラさん『胡瓜草』に寄せて・・・。

子供のころ このちいさな草を 忘れな草だと 思っていました。
チューリップや パンジーの咲く 花壇のすみっこで 消え入りそうな ちいさな花を 風に揺らして 「わたしのことも 忘れないで」って。
もちろん 今では 忘れな草というのは もっと大きくて きれいな花の咲く草で このちいさな花が 胡瓜草という 花壇の雑草だったことを 知っています。
でも 今でも 私にとっては 本当の忘れな草は (胡瓜草という名前が 嫌いなわけではないけれど) このちいさな花の咲く ちいさな草のことなんです。 

淀川ちっちゃいもの倶楽部(2)


 最近何人かの方から↑の野草の名前についての質問をいただきましたので、この場で簡単に紹介させていただこうと思います。

 和名はノヂシャ学名Valerianella locusta。ヨーロッパ原産のオミナエシ科の帰化植物です。
 マーシュといって、フランスあたりではポピュラーな野菜だそうです。葉は癖がなく生食できます。
 草丈は10~20cm、葉は対生、茎が二股に分かれて花が咲くのが特徴です。花は小さくて1mmくらいですが、独特の淡ーい水色で印象に残ります。

 水辺や川のふち、湿り気のある道端で群生するのですが、近頃あちこちで目に付くようになりました。
 実は私はこの花が昔から好きなんですが、あんまり増えて欲しくない。もとから暮らす草たちと喧嘩になるかもしれないし、もっと地味ーな他の野草たちの人気を奪いかねないから。
 単純に排斥を言うのは愚かなことですが、果たしてどうしたものでしょうか・・・。
 とりえずみんなでいっぱい摘んでおいしく頂くってのはどうでしょうか?花の入ったサラダも乙なもんです。そんなことでは焼け石に水でしょうが・・・。
 

 ついでに最近同じようなところで増えている下の野草。

 草の様子はノヂシャにそっくりですが、ベロニカのような花が咲きます。とっても愛らしいこの野草はオオカワヂシャといって、これも帰化植物です。学名をVeronica anagallis-aquaticaといって、ゴマノハグサ科のやはりベロニカの仲間です。
 日本には元々もっと小さくて地味で、花にすじ模様の入らないカワヂシャVeronica undulataというのがいたのですが、除草剤や開発の影響でどんどん減ってしまって、代わりにこのオオカワヂシャが急速に勢力を拡大しました。
 こちらの場合ノヂシャより事態は複雑です。カワヂシャと簡単に交雑してしまうのです。このままではどんどん雑種化が進行して、日本の元々のカワヂシャはいなくなってしまうかもしれません。困ったことではないでしょうか?
 カワヂシャがいなくなっても、もっと花の目立つオオカワヂシャが残るからいいやっ、ていう方もいらっしゃるでしょう・・・。でも本当にそれでいいでしょうか?
 このちっちゃい仲間たちと私たちが仲良く付き合っていくには、どうしたらいいと考えられますか?

 オオカワヂシャについては花図鑑のボロボロブログさまのオオカワヂシャの記事で詳しく紹介されています。どうかご参照ください。

淀川ちっちゃいもの倶楽部(1)

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ノミノフスマ(ナデシコ科)


スズメノエンドウ(マメ科)


カスマグサ(マメ科) 


ツボスミレ?(スミレ科)


左下のちっちゃいの ハナイバナ(ムラサキ科)


カスマグサの名の由来は、ブログ『むかごの日記』むかごさんの解説をお読みくださいm(__)m。淀川に生きる健気な野草たちにも出会えます。

さらにカスマグサ・スズメノエンドウ・カラスノエンドウの見分け方は、『花図鑑のボロボロブログ』「カスマグサ」を参照ください。hanaboroさん毎度お世話になりますm(__)m。

ユキトラさまの運営されるブログ『勿忘草』で素敵な記事を見つけましたので、紹介させていただきます。
「小さな世界」
ちいさな草の ちいさな花の ちいさなちいさな ささやき声が 聞こえてきそうです。

野草の発芽いろいろ(2)


キク科 ハンカイソウ 発芽4日 子葉長さ1.5cm


ムラサキ科 オニルリソウ 発芽4日 子葉長さ約1cm


 マツムシソウ科 ナベナ 発芽7日 子葉長さ約2cm


シソ科 ヒメジソ 発芽7日 子葉長さ約5mm


ミカエリソウ 発芽5日 子葉長さ約5mm
シソ科の典型のヒメジソと比べると異色の形状。

データはサイト雑草ちゃうで内発芽試験リストをどうぞ。

ルリハコベの発芽と開花

 ルリハコベ サクラソウ科ルリハコベ属 一年草・越年草
 大阪で路地越冬可能、夏期は枯死。
 栽培極めて容易、放任でよく育つ。


発芽直後、真上から見るとひし形に見える。
2005年4月3日播種、4月13日撮影。大きさ1mm強。
春蒔き・秋蒔きいずれも発芽良好。

秋に発芽すると、枯れずに越冬。3月過ぎから成長速まり、桜の頃から開花が始まる。







 花の大きさは約1cm。一日花。夏まで次々に咲く。
 
 春に発芽した株の成長はまたそのうち・・・。

るりはこべ 瑠璃繁縷 サクラソウ科

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お国は? と女が言つた。
さて、僕の国はどこなんだか、とにかく僕は煙草に火をつけるんだが、刺青と蛇皮線などの聯想を染めて、図案のような風俗をしてゐるあの僕の国か!

ずつとむかふ


 沖縄の詩人山之口貘の「会話」という詩の冒頭です。私はルリハコベの花が咲くと、鮮烈で美しいこの詩の冒頭部分を思い出すのです。緑・青・黄・赤・白はまさに琉装の紅型の色の取り合わせ、まっすぐ前を見て円らに開いた花の形。

 ルリハコベは南国の海を想わせるその花の色に似つかわしく、亜熱帯から熱帯の海辺近くに生きる野の草です。沖縄の浜辺でもハコベそっくりに群生して、初夏に小さな花を沢山咲かせて花模様の絨毯を織り上げるのだそうです。私は未だ野に咲く姿に出会わないので、ただ我が家のベランダの小さな鉢植えを眺めては、その様を心に想いうかべるばかりです。

 沖縄では古くから親しまれた草らしく「みんな」と呼ばれていたそうです。子守唄にべーべー(山羊)の好物と唄われています。ほんとに山羊が食べるのかは分かりませんが、柔らかくてみずみずしい草なので、本家のナデシコ科ハコベよりおいしそうではあります。

 帰化植物とされることもありますが、波に呑まれて潮にでも流されてきたとでもいうのでしょうか?少なくとも沖縄では昔からあったようです。
 ルリハコベに「お国は?」と問うたらきっと「ずっとむこう」とでも答えるでしょうか。
 自然保護をいう人の間では、絶滅危惧種といわれると大変尊重され、帰化植物というとそれだけで低く見られる傾向があるように思います。帰化植物とされ、同時に日本各地で絶滅危惧種指定されているルリハコベに関してはどう考えるべきでしょうか?

 我が家では5年前に種子を頂いてから毎年育てています。育てているというより、毎年勝手に生えてきて、勝手に育って綺麗な花を咲かせています。
 1本だけではぐれてポツポツと生えたときも、10数本で茂ったときも、自然と整って凛とした姿で花を咲かせます。天衣無縫とはこの聡明で可憐な野の草のためにある言葉のようです。
 丈夫で育てやすく、美しく可憐な野草なのにあまり育てられないのが不思議です。
 花は大きさ1cmと小さいのが嫌われたのでしょうか?しかしこの花の魅力は、その小ささにこそあると思います。
 
 我が家では芽出しは春か秋、開花は春から初夏と決まっていますが、故郷とされる常夏の熱帯ではどんなふうに生きているのでしょうか?

Les Violettes Sauvages 

 大阪の下町 十三の路傍に咲く野生の菫たち。


駅前通り商店街ヤマザキデイリーストアー横の路地にて。(2005-03-12)


スミレ Viola mandshurica (スミレ科スミレ属)



淀川に架かる十三大橋の歩道に咲く。(2005-03-12)


ノジスミレ Viola yedoensis (スミレ科スミレ属)

 そしてこんな路地の片隅にも咲いています。

 皆様の町でも通勤の途中や、買い物帰りの信号待ちの間に足元を探すと、健気に咲くスミレの花と出会えるかもしれません。

路地の片隅に咲くスミレはブログ下町、十三を歩こうよりリンクさせていただきましたm(__)m。十三の路地裏でカメラをかまえてしゃがみこむ怪しげな人影を見かけたら、それはごまのはかrecite123さんかも・・・。

   関連記事 ノジスミレ

野草の発芽いろいろ


キク科 ヒメヒゴタイ 発芽1日目 約5mm


シソ科 キバナアキギリ 発芽3日目 約7mm
シソ科の子葉はだいたいこんな感じ


フウロソウ科 ミツバフウロ 発芽7日目 約3cm
フウロソウ科の子葉は殆どが団扇型


ツユクサ科 オオボウシバナ 発芽3日目 約5mm

データはサイト雑草ちゃうで内発芽試験リストをどうぞ。

ヒメフウロ(2)開花

2つずつ並んで蕾が付きます。


4月11日 今年初めての開花。まだ半開。花のサイズは径約1cm。おしべに注目。


4月12日 おしべの頭(葯=花粉袋)がなくなってめしべの根元の赤い子房が5つ見えます。


4月13日 2つ目の花が開花。1つ目よりおしべが少ない?


ところで右の花のおしべはどこへ消えたのでしょうか?


めしべの先に見える針のようなものが、葯の落ちたおしべです。開花後起き上がって、めしべの先に花粉をくっつけて受粉します(自家受粉)。受粉後葯はすぐに落ちてしまいます。
左の花のめしべの先をよく見ると黄色くなっていますね。黄色いのは花粉です。おしべが少なく見えたのは既に何本かのおしべが起き上がって、花粉を付けた後なのでした。

1つの花の寿命は3日ほど。
夏の盛りまで次々に花を咲かせます。

花が終わった後にどんな実が出来るかは、いづれまた・・・。

 関連記事 ヒメフウロ(1)葉っぱ
 関連記事ヒメフウロ(3)結実

ヒメフウロ(1)葉っぱ

 ヒメフウロ(Geranium robertianum) フウロソウ科フウロソウ属 一年草・越年草 
花期4~7月 別名 シオヤキソウ 耐寒性強・耐暑性強
 乾燥に強く、とても強健で育てやすい野草です。大阪の我が家では4年前に初めて育ててから、毎年こぼれ種で沢山生えてきます。
ヒメフウロ(Erodium reichardii)とは別物です。
 
 昨年の9月に播種、すぐに発芽が始まりました。


 ロゼット葉が真っ赤に紅葉しながら越冬します。触ると鉛筆の芯のような臭いがします。


 3月に入って茎が立ち上がってきました。中央に小さな蕾が見えています。八重桜の頃に咲き始めます。


 この草は同じ葉が赤くなったり、緑に戻ったりするのが不思議です。

 どんな花が咲くのかは・・・明日にでも。

 関連記事 
ヒメフウロ(2)花
ヒメフウロ(3)結実

新カテゴリ「種子から育つ山野草」追加のお知らせ

 咲くからに見るからに花の散るからに
 
 昨夜の雨で桜も随分と散ってしまいましたが、桜にとっての本当の命は、花を散らせて新しい葉を芽吹いてから始まります。そしていよいよ里にも野にも佐保姫が到着して、命の萌え出す季節が訪れました。我が家でも種子がぞくぞくと発芽し、出産ラッシュを迎えています。
 ところで当ウェブサイトは、皆様に野草を種子から育てることをお勧めするために立ち上げたものでした。
 一から野草を育てると、図鑑や山歩きでは理解出来得ない魅力や、生命の巧妙さとそれを育む自然の尊さを知ることが出来ると思うのです。私は実物に勝る知識はなく、そして正確な知識こそが自然と環境を守る最大の力だと考えています。
 私が野草の種子をお譲りしようというのは、ほんのささやかながら、私なりの自然保護運動のつもりです。
 これからは私が実際に一から育てている野草の生長の過程や開花の様子を記録して、リアルタイムでサイト上で公開していこうと考えています。
 内容的にはごく簡単なものとなると思いますが、野草を種子から育てる際の参考にしていただくと同時に、螺旋を描いて進む年月の流れを感じていただければ幸いです。
 なお、私は園芸初心者であり、野草に関する知識も中途半端にしか持ち合わせておりません。サイトの運営を通じて読者の方々と共に勉強させていただく所存でおります。どうかお気軽にご質問・またご意見・ご指摘頂きたくお願いいたします。

 私ことながら、昨日投稿のゴマノハグサの記事で、ようやく野草記事が50種に到達いたしました。拙い内容にも関わらず、お姿は見えませんが幾人かの方には読んでいただいていると信じて、また他の素晴らしいサイトから大いに学ばせていただくことでどうにか続けてくることができました。
 ただ春が来て、実物の花が咲き出し実際に接するようになると、いくら文章を連ね画像を並べようと、その魅力・素晴らしさの何十分の一も表し切れないことを痛感しています。
 また春が来ると気分が浮きだって、机に座っているのが苦痛でもあります。
 そういった理由で、これまでのような記事の投稿はしばらくペースダウンさせていただこうと思います。
 どうかご理解のうえ、よろしければこれまで同様、この粗末なサイトにお暇なときにでもお立ち寄りいただければ幸いですm(__)m。

ごまのはぐさ 胡麻の葉草 ゴマノハグサ科

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 ゴマノハグサ科の植物には花の美しいものが沢山あります。彩り豊かで個性的な姿かたちの様々な原種から、数え切れないほどの園芸種がぞくぞくと生み出され、庭や花壇を豊かに彩っています。今頃の花ならキンギョソウが盛りでしょうか。園芸種でなくてもオオイヌノフグリやトキワハゼ、ムラサキサギゴケなどが、身近なところで可憐な花を咲かせています。
 薬草・ハーブにもゴマノハグサ科のものが多く玄参(ゲンジン)・ジギタリス等が有名です。
 箪笥にするキリもこの仲間です。
 このようにゴマノハグサ科の植物は、私たちにとって大変馴染みの深い一族です。

 では今回取り上げるゴマノハグサ科ゴマノハグサ属ゴマノハグサとはどのような植物でしょうか?
 まず花は小さい・色が地味・不細工で観賞価値はありません。草丈1.5mに黄緑白色の1cmから5mmくらいの不ぞろいで形の整わない花を咲かせます。花後の若い果実にチロチロ舌のような雌しべが残っていて、これがまた変な感じです。私はこの花に初めて接したとき、あまりに不気味で不細工な姿に、海辺でフナムシに出会ったときのような不快感すらを覚えました。
 ゴマに似ているという葉を2枚ずつ抱いて(対生して)スマートに伸びる姿は整っていて美しいのですが、花の不器量を強調してしまうようです。
 
 そしてもともとどこにでもあるような草ではなく、山地の草原や藪に紛れて黄緑色の花を咲かすため、なかなか出会う機会はありません。私自身はおんたけの高原で初めて出会ってから、再び見つけ出すまで5年かかりました。まあこれは私の観察不足が原因でもありますが・・・。
 では薬用に関してはどうかと言いますと、これも利用されることは殆どないようです。肥厚する根茎が玄参という薬草に似ているので混同されることもありますが、玄参は中国原産の別種です。
 下の画像はゴマノハグサの実生一年苗の根茎ですが、さらに成長すると大振りのニンジンほどの大きさになります。因みに玄参はこのような地下茎を喉の炎症を抑える薬として非常に珍重されるようです。
ピンボケですいません。

 こまごま書いてきましたが、つまりゴマノハグサは人間にとって地味で目立たず特に役にも立たないような存在なのかもしれません。
 現在ではゴマノハグサの育つような草原や雑木林が開発で失われ、外来種との競争にも巻き込まれ、絶滅への道を歩みつつあります。
 このような場合、もしゴマノハグサがカタクリのように美しい花を咲かすか、あるいはタコノアシのようにユニークな特徴と名前を持っていたなら、保護を訴える声は説得力を持つかもしれません。しかしゴマノハグサのように、地味で人に好かれるような魅力に乏しい野草が消え去ろうとするとき、果たして真剣に保護を考える人がどれくらいいるでしょうか?
 
 多くの野草に接するにつれ、次第に地味で目立たない花にも眼がいくようになり、ゴマノハグサもよーく見ればどこかしら可愛げなはずだと探し初めて数年。
初めて見た草はらはその間に開発で消滅してしまいました。一昨年ようやく見つけたのはおんたけにある東屋の、裏庭の草むらの中でした。おバカなことに毎年気付かずに草むらごと刈り取っていたようです・・・。
 ともかく再び出会っての印象は、やっぱり地味で可愛げのない不細工な花だなー、というものでした。でもいい味出してる、一度見たら絶対に忘れないちょっとユーモラスなお姿です。
 人間がどう思おうが、ハナバチが盛んに訪れていたので虫には魅力的なのでしょう。でもどうやって虫を誘っているのか、よく分かりません。

 晩秋にキリの実に似た果実が熟し、中から真っ黒な小さな種子が沢山出てきます。花同様に形が不ぞろいで大きさがまちまちですが、蒔いてみると良く発芽しました。各地で絶滅危惧指定されているので栽培が難しいかと思っていましたが、鉢植えでも難なく成長し、発芽当年に開花・結実しました。ただ芽だし直後は腐りやすいので、清潔な環境で管理します。大阪の夏も乗り切り今年も無事に芽を出しています。


 無事に育てば今年は沢山種子が採れると思います。どなたか里親になってやろうという方はいらっしゃいませんでしょうか?お庭に植えてみれば案外良いアクセントにもなると思います。

淀川ちっちゃいもの倶楽部(4)


 

ヒナギキョウ(キキョウ科)


タガラシ(キンポウゲ科)


キツネノボタン(キンポウゲ科)


ヤエムグラ(アカネ科)


ミコシガヤ(カヤツリグサ科)

ミコシガヤ 花穂の画像

関連記事
ヒナギキョウの開花

テーマ:野草の写真 - ジャンル:写真

おうれん 黄連 キンポウゲ科

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 春植物の花がよく妖精に例えられますが、その呼び名に最もふさわしいのがこのオウレンの花だと思います。
 雑木林の林庄で、雪が溶け切らないうちからひっそりと花を咲かせ、カタクリやイチリンソウの仲間が花弁を広げ人や昆虫で野が賑わう頃には、花を散らせてしまって矢車のような果実だけがそよ風に揺れています。

 決して華やかではなく、むしろ地味な印象の花ですが細部までよく観察すると、その繊細な美しさは神秘的ですらあります。
 長さ1cm弱の花弁(実はがく片)は半透明の乳白色で、雌雄異花・・・というか、雄花と両性花を咲かせます。栄養状態が十分でないと雄花になるようです。(これは同じキンポウゲ科のクサボタンと同じです。)


雄花。繊細なおしべ。


両性花。雌しべと花弁のコントラスト。

 ところでオウレンと言えば、漢方薬の材料としてご存知のかたも多いと思います。根を干して細根を焼いて取り除いたものを黄連(おうれん)といって、健胃剤として使われます。黄の字が入る通り根は黄色を帯びていますが、これはベルベリンという成分が含まれているためです。
 ベルベリンは強い抗菌作用があり、一部の細菌には抗生物質に匹敵する作用が確かめられているそうです。生薬成分の科学的な分析の歴史は浅くて未だ未解明な部分も多く、これから新たな効用が見出されるかもしれません。
 そして日本のオウレンは特に品質が良いとされ、かつては盛んに中国にも輸出され、重宝されたそうです。
 里山の雑木林にはオウレンのみならず薬草が沢山生えています。カタクリ・フクジュソウ・エンゴサク等など・・・。かつての雑木林は薪炭の供給源であると同時に、貴重な薬草の農場をも兼ねていたのです。

 先日訪れた、まだカタクリの花が咲かないマキノのカタクリ園では、オウレンの花が沢山咲いていました。
 まばらに訪れる人は幻のような花を、地面の色に紛れて見つけられないのか、あるいは見つけていても関心を惹かないのか、ただカタクリの咲かないのを残念そうに足早に通り過ぎるだけでした。

ざぜんそう 座禅草 サトイモ科

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 まだ雪も溶けきらない早春に、必ずどこかのニュース番組か新聞でザゼンソウの開花の話題が報じられます。
 昨年のことですが、やはり新聞の記事で湖東地方今津町(現高島市)に群生地があるのを知り、興味津々で出かけてきました。
 地図を忘れて行ったのですが、国道沿いに立派な標識で案内してあり、駐車場もしっかり整備されていました。規模は大きくなく、交通量の多い県道沿いの住宅街の中に孤立した谷地に用水路から水が流れ込み、じくじく水の染み出す湿地に、観察用の木道と解説板が整備されていました。監視員兼解説員も配置され手厚く保護されているようでした。

 暦の上では春とはいえ風は冷たく、竹が生い茂り日の殆ど差さない林庄に、紫色のむつきに身を包んだザゼンソウが群れ固まって座っている様子は、いわく言いがたく奇妙な眺めでした・・・。
 親戚筋のミズバショウとはまさにネガとポジのように対照的な印象の花です。花を包む仏炎包を仏僧の紫衣に擬えたのは良い得て妙でしょう。
 図鑑などでしばしば言及される悪臭を楽しみ(?)にしていたのですが、花が臭いのではなく茎や根を傷つけると、傷口から強力な悪臭を放つのだそうです。そうなると確認するのは無理な話で本当に残念でした。

 当時は新聞などで紹介された直後のためかかなりの盛況で、駐車場には観光バスも停まってツアー客もぞくぞくと訪れていました。臨時の売店が設えられ寒天培養のザゼンソウの小苗が瓶詰めで売られていて、よく売れていました。家庭での維持・成長は難しいでしょうが、面白いアイデアです。「座禅草最中」もありましたが、こちらの人気は今いちでした。
 マンホールの蓋にもザゼンソウのデザインが採用されていて、今津の町が地域ぐるみでザゼンソウを大切に守り伝えようとしているようでした。



 今年の4月3日に再訪しましたが少しピークは過ぎているようで葉が大分伸びていました。(上の画像)
 それにしても今年は昨年に比べて閑散として、人影も疎らで解説員もいず、売店も無しという寂しい有様でした。今年は紹介するメディアがなかったのでしょうか・・・。市町村合併で今津町が消滅したためか、マンホールまでなくなっていました。行く末に一抹の不安を感じざるを得ません。

 ところでザゼンソウは自ら発熱して、寒中に暖を求める虫を誘っているそうです。細胞内のミトコンドリアに酸素を盛んに送り込んで、熱を発生させるのだそうです(これは人間が発熱するのと基本的に同じ原理です)。そのため早春の寒さの中でも包の中は15℃から35℃に保たれているのだとか。寒さに凍える虫たちの眼には、ザゼンソウの仏炎包は文字通り揺らめく炎のように写ることでしょう。

 ザゼンソウは花が終わると次第に包が緑色を帯び、長さ1mを超える葉を出して、壮大な異相を顕します。湖東の自生地ではもう葉が随分と伸びていることでしょうが、その姿も十分に見ごたえのあるものと思います。
 今丁度見ごろを迎えつつあるマキノのカタクリ群生地からは程近い距離にあります。今月中旬までに湖東にお出かけの予定の方は、カタクリを堪能したあとで、ついでに今津に立ち寄られることもお勧めしておきます。

湖東マキノでカタクリが開花

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 四月三日に湖東地方、マキノのメタセコイヤの並木道を抜けて、有名なカタクリの群生地に出かけてきました。
 
 しかし今年は雪解けが遅かったとかで、まだ蕾の状態で開花固体はゼロでした(涙)。可愛い春の妖精に嫌われてしまったようです・・・。

 今頃はもう次々美しい花を咲かせていることでしょう。マキノピックランドまでお問い合わせのうえぜひお出かけください。
 約二週間にわたって雑木林の林床をカタクリ・イカリソウ・ヤマエンゴサクなど春の美しい花々が咲き乱れます。私は見られませんでしたが、どうぞ皆様はご堪能ください・・・。

 なおカタクリの開花シーズンは、有名な近江マキノ「海津の桜」の見ごろと重なりますので混雑が予想されます。電車・バス等のご利用をお勧めします。

 マキノのメタセコイヤ並木はむかご様のむかごの日記から紹介させていただきました。

 四月六日 追記
 花の咲いた様子は、ぽんさんの美しいお庭でご覧になれます。ただし花の色が少し変わっています・・・。
どんな色かは、ご覧になってのお楽しみです(^^)。

のじすみれ 野路菫 スミレ科

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四月四日は『すみれの節句』というそうです。女の子の節句と男の子の節句の間ということで「おかまの日」、スミレはおかまのシンボルフラワーなんですね。由来はタカラヅカでしょうか?一般にどれだけ浸透しているのか分かりませんが、夜に飲み屋街を歩いていると、振袖姿のおっちゃんに出くわしたりします。
 振袖姿のおっちゃんを見たいかどうかは措くとして、時期的にもちょうどスミレの花の咲く頃ですし、『すみれの節句』と名付けたのはなかなか良い思いつきだと思います。

 ということで、数日前からスミレの花を探してみたのですが、見つけることができませんでした。春分を過ぎてから寒い日が続いたためでしょう。代わりにスミレに似て、少し花期が早いノジスミレを見つけました。場所はなんと十三大橋の舗装の隙間。まさに雑踏に咲いた可憐な野の花です。

 私たちは普段この仲間を見て、単にスミレと呼び均していますが、細かく見ると実は沢山の種類があって、変種も含めると100種類を超えるそうです。それも見分け方がもう細々とややこしくて、図鑑だけが頼りだと私なんかには全くお手上げです。
 都会の雑踏のアスファルトの隙間や、線路沿いの日溜りでも見られるスミレの仲間は、このノジスミレか、スミレ・ヒメスミレの3種が多いようです。
 ノジスミレの見分け方は、スミレに比べて全体毛深くて、見た目だらしない感じで、スミレより少し早く咲くことらしいです。つまりスミレを知らないと見分けられないわけです・・・。はっきりした違いは花の内側に髯のような毛がないことらしいですが、髯のあるものも多いらしいです。しかも全体毛のない固体もあるらしく、もちろん花の形も色も変異が多いとのことです。どないせっちゅうねん。

 私にはもう難しいばかりなんですが、こういう細かいのは、人間の整理整頓欲(?)を心地よく刺激するらしく、熱心なスミレファンは沢山いらっしゃるようです。
 今年は私自身の勉強も兼ねてできるだけ多くのスミレを当ブログで紹介しようと思っています。もしスミレにお詳しい方がご覧になっていましたら、よろしくご指導のほどをお願いできれば幸いですm(__)m。きっととんでもない間違いもしでかすでしょうから・・・。

 ところで「おかまの日」について、性同一性障害・性転換者の団体の一部が「トランスジェンダーの日」と記念日登録したため、同性愛者の団体の一部と本家・元祖争いのようになっているそうです。お互いジェンダーの問題を抱えて分かり合えそうなのに・・・?アホなことしとらんでみんな仲良うしたらええのにねえ・・・。
 どうせなら日本中で「おかまの日」を盛り上げて、その日は男女がみーんな入れ替わるっちゅうことにしたらいいんちゃいますやろか?結構楽しいかも。
 今回はずいぶん脱線してしまいました・・・。
 ちなみにスミレの仲間は雌雄同株で自家受粉もできます。完全なジェンダー・フリーです。

たねつけばな 種漬花 アブラナ科

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 クレソンを小さくしたような姿のタネツケバナは、ナズナ以上にありふれた雑草という印象の強い野草です。秋から春の間にカラカラに乾かない所なら、町の道端から公園、空き地、郊外の田畑、かなり標高の高い湿地や渓流沿いでも見られます。
 我が家のプランターや鉢の中でも毎年いつの間にか生えてきて、春一番に小さな小さな花を咲かせています。私はこの春の使者を、むやみに抜き取らずに必ず何本か残すことにしています。さほど邪魔なものではありませんし、どうせ桜が散る頃には種子をこぼして枯れてしまいます。

 かつては春先にタネツケバナが咲くと、稲の種籾を水に漬け込んだそうです。この頃に水に漬け込むことで発芽が誘引されるのです。やがて桜が咲くと田起こしを始め、郭公が鳴くと田植えと、人間は昔から自然と対話をしながら生活をしてきました。季節を決めるのは暦や気温ではなく、環境と生物の関わり合いでした。
 でも急速に人間と自然の関わりが薄れつつある現代のこの国では、人間の都合だけで作られた、まがい物の季節が幅をきかせるようになりつつあるようです。

 この草は別名をタガラシ(田芥子)と言い、葉を齧るとピリッと辛味があってなかなか美味しいものです。クレソンと同じように使えますが、味はタネツケバナのほうが上です。茎は少しすじがあるので、葉の部分と芽先を採ります。サラダに添えて黙って出されたら、絶対に雑草だなんて気付かないと思います。小さい草ですが、いくらでも生えていますので、一食分を集めるぐらいなら手間はありません。
 
 タネツケバナの繁栄の秘密は、徹底した隙間戦略にあります。まず体を小さくして省スペースを実現しています。次に他の植物の枯れている冬に成長するために、ロゼットになり、寒さをしのぎつつ力を蓄えます。花が咲いてから、種子が熟すまでの期間が短いのは、他の特物の芽出しに先んじる戦略ですが、そのために受粉した雌しべはすぐに伸び始めて、花の真ん中から突き抜けてきます。そして競争の激しい春から秋の間は、種子の状態で眠ってやりすごします。(タネツケバナの生活については八木澤先生の教室をご覧ください。画像付きで詳しく解説されています。)

 小さな体に秘められた強い生命力と巧みな戦略で、この国の人間の生活とも折り合って繁栄を続けてきたタネツケバナ。
 しかしこのわずか十数年の間に事態は急展開しています。都市部を中心に、勢力が急速に衰退しつつあるのです。そしてその原因を作っているのはやはり人間のようです・・・。 【“たねつけばな 種漬花 アブラナ科”の続きを読む】

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まとめ

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