ごまのはぐさのこまごまことのは

身近な野草についてあれこれと・・・。 日本の山野草を種子から育ててみませんか?

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くされだま 草連玉 サクラソウ科


 夏にリシマキアの学名で切花が流通します。茎は1m超になり、濃い緑色の革質の柳葉を対生または3~4輪生させ、茎の頂近くから鮮やかなレモンイエローの花を円錐状に群がりつけます。園芸種でもこれほどの美しい姿をもつものは稀です。
 学名で呼ばれるのはクサレダマの語感を嫌ってのことでしょう。黄色い花を枝先に密に咲かす南ヨーロッパ原産の潅木レダマ(連玉)に似た草という意味なのですが、レダマには花が黄色い以外は全然似てないようです。
 レダマについては、motion_emotionというサイト内クサレダマの記事中で大変詳しく紹介されていますのでご参照ください。
 レダマは江戸時代に渡来して、舶来の花木として珍重されたそうですが、比較的短命で枯れやすいことと、猛烈にカイガラムシが付くのとで、次第により作りやすく品種も豊富なエニシダにとって換わられて、今ではほとんど作られないそうです。
 このクサレダマの花自体は混じりけのない黄色なのですが、がくの縁が朱赤につまどりされていて、花穂に当たる光の角度によっては燃え立つ炎の色を思わせます。クサレダマの命名者は、レダマに形状が似ているからというより、この植物の色彩的でエキゾチックな雰囲気を、南欧産の当時の珍重な花木の代表格のレダマに仮託したのではないでしょうか。
 それしても、わざわざ頭にクサを持ってくる必要はないわけで、どこかの駄洒落好きの思い付きを、面白半分で引っ張り続けているように思えてなりません。
 ところで木のほうのレダマですが、学名をSpartium junceum L.といいます。なぜそれがレダマと名付けられたかと言うと、レダマが輸入された際にRetama monospermaという植物と名前を取り違えて、しかもいつのまにか濁点までついて、そのまま定着してしまったようです。因みにRetama monospermaの花の色は「白」です・・・。

 湿地に生える植物ですが、乾燥させなければ鉢栽培は容易です。地下茎を縦横に伸ばすので、毎年植え替えて地下茎を整理します。繁殖は地下茎を分けるのが簡単ですが、種子繁殖も容易で発芽翌年には開花します。百貨店などで簡単に苗が手に入ります。自生の株は絶対に持ち帰らないことです。
 水揚げはよいのですが、一つ一つの花は比較的短命で、花屋で切花を買っても輸送のストレスなども重なり、すぐにポロポロと花が落ちてしまいます。自宅で育てて朝採りすれば、つぼみまで咲きあがり、美しい花が長く楽しめます。

 今回はmotion_emotionさまの素晴らしいサイトmotion_emotion 自然のことを少しずつから記事を引用させていただきました。
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なずな 薺 アブラナ科

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 私は最近韓国居酒屋がお気に入りで、足繁く通っています。世界一健康に良いお酒「マッコリ」が美味しくてもうすっかり病みつきなんです。でも私の一番のお目当ては本場風「ナムル」。通うたびに様々な野菜・山菜がナムルになって出てきて楽しいんです。セリやごまのは、ゆり(カンゾウ)の花、サルナシの茎、そしてつい先日はナズナのナムルがテーブルに並びました。へーっと思って店の方に聞いてみると、韓国では普通に食べているそうです。なんとラーメンに入れて食べたりもするとか。さすが「薬食同源」の国です。
 それでそのナズナの味はといいますと、これがなかなかに美味しいものなのでした。癖がなくて、ほんのり草と土の味がして歯ざわりはシャキシャキ。食べ易くて野菜嫌いの人にむしろお勧めって感じです。

 ナズナは春の七種の一つですが、この七種の習慣はもともと大陸から朝鮮半島を経て齎(もたら)されたものだそうです。ナズナの名も朝鮮語起源ということです。それどころか史前帰化植物といって、このナズナ自体が太古に野菜として持ち込まれたものらしいのです。だから人里以外ではほとんど見かけません。
 薺(なずな)という漢字見ると私はいつも齎(もたら)すという漢字を思い出します。この雑草の代名詞とも言えるありふれた野の花は、実は遥か海を隔てた人々の、数千年にわたる交流の生きた証でもあったのです。

 数千年の時間を経て、人間の暮らしは変わり続けています。
 花後の実を三味線のバチに見立ててペンペン草という別名は、いつまで生き残ることができるでしょうか。
 耳元で振ってしゃらしゃらと涼しげな音を聞く素朴な遊びを知る子供は、まだいくらかはいるでしょうか。
 でもいつの日かペンペン草だナズナだと呼ぶ人間がこの国からいなくなってしまっても、この丈夫で健気な野の草は、きっと変わらずに小さな白い花を咲かせているんだと思います。かつてはいたニンゲンという生き物の生活の、生きた証として。

しらねせんきゅう 白根川きゅう セリ科

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 アレンジやブーケ用花材として女性に人気のホワイトレースフラワーは、柔らかなカーブを描くステムに、カスミソウのような繊細な小花を豊満に咲かせて天国的なイメージを抱かせます。
 信州の渓流沿いには、夏の終わりごろになるとホワイトレースフラワーを少し骨太にした感じの、シラネセンキュウの花が開き始めます。大きなものは高さ1mを超えて、花の直径は一房20cmにもなります。近づいてみると一つひとつの花にも整った形で美しく、かすかに芳香があります。


 セリ科の植物は図鑑などの写真では非常に似通ったものが多く、種の同定にはいつも戸惑います。文章での説明では「葉は3出羽状複葉。小葉は卵形、粗い鋸歯と縁に微毛がある。7~8月ごろ、複散形花序を出し白色の小花を多数着ける」と難しい用語が並び、私の低容量の頭では、フリーズを起こしてしまいます。
 実物を丁寧に見比べれば、それぞれしっかりした個性を持っているので簡単に見分けられるのですが、いざ言葉で伝えようとすると難しいことになってしまいます。学問云々の話は別にして、何事でも正確な理解を得るには、実物に触れることが近道だと思います。

 新芽はセリ同様に食べられますが、香りも味も少し強く感じます。汁の実にしたり、お浸しにするのですが、ある本によるとインスタントラーメンとの相性が良いとか?
 
 シラネセンキュウとは、白根山に生えるセンキュウに似た植物という意味です。センキュウとは中国産の香気の強い薬草ですが、香りも姿もあまり似ていません。因みにシラネセンキュウは中国野菜風、センキュウはちょっとカレー粉のような臭いです。
 生える場所も日光の白根山に限らず、山地なら木漏れ日の下で普通に見られますが、相当湿り気の多い肥えた土壌を好むようです。

 晩秋にこれもまた言葉で説明し辛い、独特の形の種子を実らせます。茶色くなった頃に採取して採り播きにするとよく発芽しますが、冬越しが大変なので保存して一月頃に播くのが良いと思います。栽培は容易な部類で、二年目から開花します。鉢に植えると小さく作れます。最近はホワイトレースフラワー等のセリ科の園芸種も人気が出てきましたが、在来のセリ科の野草のもつ園芸的価値を見直すきっかけにもなればと思います。
 水揚げが良く、茎がしっかりしていますので切花に向いています。雨に当てないことで花持ちが良くなりますが、花が散りやすいのがセリ科の花の共通の欠点です。

ままこな 飯こ菜? ゴマノハグサ科

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 山の尾根筋の斜面などでよく群生しています。高さは大きくて30cmくらい、一本の真っ直ぐな茎から木のように枝を広げます。長さ2cmほどの花は、深海魚を連想させます。
 野草に興味を持ち始めて、ごく簡単なポケット図鑑だけを頼りにしていた頃、この植物をシソ科のタツナミソウの仲間だと思っていました。タツナミソウの名の由来「群生して咲く様子が波を連想させる」というように、まるで打ち寄せる波にのように夏に一斉に開花して斜面をピンクに染めていましたので・・・。ママコナは同じゴマノハグサ科のコシオガマのように粘り気があり、触るとすぐに分かります。

 ママコナという名の由来には、二説あります。一つは舌状花の下唇弁の白い二つのポッチリをお米に擬えたというものです。
 
 もう一つは、未熟な種子がお米にそっくりだからです。きれいな乳白色で、玄米ではなく精米後の白米です。
 私はどちらかというと後者が説得力があるように思いますが、「菜」というのは分かりません。硬くてもさもさして、嵩も低くてとても食べられるようには見えません。ですが肝心なのはやはり味ですので今年は試食してみます。

 コシオガマ同様半寄生植物と呼ばれますが、崩落地のようなところでも見られ、単独で生きているようにも見えます。寄生した相手を枯らしてしまうのでしょうか。この仲間が他の植物に「寄生」する意義については、同じく半寄生植物のタチココゴメグサを紹介する際にあらためて考察してみようと思います。

 栽培は可能なようですが、私は試したことがありません。イネ科の根に寄生するという話を聞いたことがありますので、ススキなどの株元に種子を蒔くといいかもしれません。寄生させなくても育って花も咲くそうですが、あまり大きくはならないそうです。水枯れさせると回復しないので、水遣りに注意します。
 花の美しい植物ですので、育ててみたいものです。各地で急速に数を減らしているとのことですので、栽培法の確立は保護にも役立ちます。
 水揚げが悪く切花に向かないのが残念です。

あけぼのそう 曙草 リンドウ科

あけぼのそう

 アケボノソウの花の精緻な美しさは、言葉では表しきれないものがあります。この名前は、花の浅黄色に白い絹布を被せたような色合いを、しらじら明けのあけぼのの空の色に例えたとのことです。そして黄色の蜜線を星、黒い(深緑色)斑点はまだ明けきらぬ夜の闇でしょうか。一片の花弁の上に抽象化されて再構成された朝の景色の一齣です。
 この花の名は古くからのものか、比較的新しいものかわかりませんが、名付け親は自由な発想の持ち主だったようです。この花の美しさが見るものの感覚を研ぎ澄まさせたということもあるでしょう。

 草丈は大きいものでは1mを超え、枝分かれした頂端に大きさ1~2cmの花を上向きに次々に咲かせます。アケボノソウは山の湿地などでは珍しいものではありませんが、生える環境が人の近づき難いことと、全体として人目を惹く色味に欠けるため茂みに溶け込んでしまい、見過ごされれることが多いようです。
 初秋に咲き始め、花が終わると花弁は散らずに雌しべを覆うように閉じて、次第に緑色に変わります。閉じた花弁が茶色く枯れる頃、子房が膨らんで先を覗かせます。(このころ中に詰まった黒い種子が透けて見えるのも、味のあるものです。)やがて晩秋の初霜の降りる頃、子房の先が二つに割れてたくさんの種子がこぼれ落ちます。
 越年草で春の芽出しから開花までの数年は、ロゼットで過ごします。この頃の姿がオオバコにそっくりです。おんたけの庭にアケボノソウのロゼットが沢山あったのを、オオバコと間違えて片っ端から毟っていたことがありました。それで「うちのすぐ傍の空き地にはアケボノソウが沢山咲くのになんでうちにはないんやろう」て・・・。

 この野草はセンブリの仲間ですので育て方も準じますが、水枯れに弱い、少し暑さに弱いということで丁寧な管理が必要になるかもしれません。
 センブリ・リンドウの仲間の栽培といえば『春ちゃん』の専門分野ですので、リンク先の「和歌山・紀南地方の山野草」ではアケボノソウも採りあげられていますので、参照されることをお勧めします。
 大変水揚げがよく花持ちも良いので、鉢で育てて切花にされることをお勧めします。和洋どちらの扱いでもよく映えます。ただしあまり暗い所では花を閉じるので注意が必要です。
 野草は自然の中で見るのが最も美しいという人がいますが、そうとは限りません。視点を変えて新たな魅力を見出すこともまた、花を愛し親しむ一つの方法です。
 必ず花をいくつか残して、来年の分の種子を確保しましょう。

テーマ:野草の写真 - ジャンル:写真

くるまばな 車花 シソ科

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シソ科というのは中国では口唇科というそうです。クルマバナの花は口唇科そのまんまといった感じです。筒状の花が上下に割けて上唇と下唇に分かれた花を唇形花といってシソ科の花の代表的な特徴です。広い下唇の部分がハナバチの仲間なんかに留まりやすくなっていて、ハナバチは先細りの筒の中に頭から潜り込んで中の蜜を吸います。そのとき筒の途中に突き出たおしべからハナバチの体に花粉がくっついて、他の花へと運ばれていきます。ハナバチに受粉のお手伝いをお願いするお礼に、ソファーと甘い飲み物でおもてなししてはるんですね。

 クルマバナは山地の路傍や草はらに多い野草です。生活力が旺盛なようで、よほど暗い林庄のような所でなければどこにでも生えています。山歩きがお好きな方には馴染みのある植物ではないでしょうか。
 日当たりのよい草はらが最も好みらしく、そんな所では何段にも花の輪を重ねて、高さ50cmを超える茎を真っ直ぐ伸ばします。一つ一つの花は5mm以下と小さいのですが、次々に咲かせてよく目立ちます。秋にがく筒と呼ばれる花のさやの部分が紫に染まるのが美しく、味わい深いものです。
 反対に雨で土壌が流されたような厳しい環境では、蔓草のような細い茎で這うように枝を広げ、高さ5cmにも満たない華奢な花茎を立ち上げて、より小さな花をしょぼしょぼと咲かせます。まるで別の植物かのように印象が変わります。
 過酷な環境でも巧みに順応してしっかり種子を生産するクルマバナは、本当に強い植物だと思います。にも関わらず群生しているのには出会ったことがありません。単独で生きるのには強くても、他の植物との競争はあまり得意としないのかもしれません。

 種子からの栽培が簡単で、挿し芽でもよく増えます。花の華やかさでは園芸種に劣りますが、草姿全体の印象が趣深く、育てて良いものです。
 のびのび育てて切花にすると、すんなり伸びた茎にリズミカルに付く葉と花のバランスがよく、この野の草の意外な魅力に気付きます。

いぬごま 犬胡麻 シソ科

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 晩夏から初秋にかけて真っ直ぐ伸びた茎の先に、キンギョソウの親戚のような花を咲かせます。肥沃で日当たりの良い水辺を好むようです。適応範囲が広いのか、かなり標高の高い湿地にも平地のドブ川の淵でも見つかります。とは言っても雑草同然というほど多いものでもありません。

 シソ科の野草としては花が大きく美しいのに、種子がゴマに似ているが役に立たないのでイヌゴマ、別名をチョロギに似ているが違うのでチョロギダマシと、ネガティブな扱いが多く損をしているようです。この植物がもし高山植物で、もう少し優雅な名前を貰っていれば、もっと人気を得て広く知られていたことでしょう。あまり好かれぬ理由は茎に下向きに密生したトゲトゲのせいというのもあるでしょうが。
 
 ところでよく「種子がゴマに似ているから」といわれるのは、納得がいきません。はっきり言って似ていません。むしろ葉は似ているようですので、葉が似ているが違うからというのが本当だと思います。あるいは全体の草姿が似ているかも。この点は今年は実際に「ゴマ」を育てて比較検討してみようと思っています。

   
 
 花が美しいので栽培してみようと初夏に挿し芽を試したら、5日足らずで発根し驚きました。湿った所に地植えすると地下茎で増えるだけでなく、地上茎が倒れたところからも発根し、盛んに増殖します。しかし2年たっても3年たっても一向に花が咲かず、ただのトゲトゲの痛い厄介な草でした。
 半日陰に植えたのがいけなかったのかと日当たりに移すと、ようやく念願の花を見ることができました。身近な草のなかには丈夫で強いようで、デリケートで気難しい一面をもつものが多く、植物の生命力の強さと、環境に依存するゆえの弱さを考えさせられます。

 春たけなわに、おんたけの路傍でイヌゴマがぞくぞく芽を出しているのがみずみずしく美味しそうに見えたので、天ぷらにしたことがあります。
 味は別段苦くもなく、香りがある訳でもなく、特徴のないものでした。
 そういえばシソ科の仲間なのに香りが印象にありません。トゲが多いから触らないためか、香りが弱いのかは、春が来たら確かめてみます。
【“いぬごま 犬胡麻 シソ科”の続きを読む】

かわみどり 川緑? シソ科

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 中国では「カッ香」(漢字入力できません)と呼んで風邪薬や胃腸薬に使われる重要な薬草です。日本では全草を干したのを排草香といって、お香の材料になるそうです。ハーブの世界ではコリアンミントとしてお馴染みだとか?
 それぞれの別名の通り、強い芳香を特徴としている野草で、世界中で盛んに利用されています。しかし日本ではあまり利用されてないようです。
 理由はその香りにあるようです。基本はミントなのですが、そこにアニスのような香りが混ざります。アニスやフェンネル(ういきょう)の香りは、西洋やインド世界では大変好まれているのですが、なぜか日本ではあまり好まれません。好きだという人もいますが、現在のところは全く受け付けないという人の方が多数派でしょう。しかし食生活・嗜好の変化により、次第にカワミドリやアニスのような香りにも馴染むようになれば、少しずつ人気がでてくることでしょう。(アニスの香りは歯磨き粉に砂糖を混ぜて煮詰めたような感じ?)

 山地の川べりや湿地に普通に見られ、よく群生します。草丈は腰の上位まで伸び、ビロードのような感触の葉と紅紫色の花穂が印象的です。
 カワミドリという和名には普通「川緑」の字が当てられますが、由来は不明らしいです。川の傍に生えて緑だから、というのはよくわかりません。
 
 ちょっと語源から調べて見ましょう。
 緑の黒髪という慣用句があります。黒やのに緑とはどないやねん、と思っていましたら「緑」という言葉はもともと色を表す言葉でなく、「水(みづ)」を語源とする「みずみずしい」さまを表す言葉なのだそうです。
 そこからカワミドリのミドリも「みずみずしい」の意として、川辺に生えてみずみずしいから付けられた、と言いたいところですが、これもしっくりきません。この草はどちらかというとカサカサした印象がしますので・・・。
 結局本当の所はどうなんでしょうか。

 花が美しく群生する性質から、北海道のどこかの町でラベンダー畑のように植栽利用されているそうです。生態系保全への配慮から、緑化事業に園芸種や外来種を使わず、在来の野草を植える試みの一つです。野生植物を緑化に利用することは、賛成・反対両論ありそうですが、私はこのような試みは大変意義深いことだと思います。
 近代、経済性や人間の嗜好のみを優先して、乱暴に自然を作り変えてきた今までのやり方をこれから先も続けてもよいのか、一人ひとり考え直すべき時が来ているのではないでしょうか?

 栽培は簡単で、実生・挿し芽どちらでも簡単に増やせます。乾燥はあまり好まず、ハダニがつくので注意します。多年草ですが、冬に消滅しやすいので種子で更新するのが安全です。
 切花にするのも良いですし、花穂はドライフラワーになります。もちろんハーブティーにもできます。

ひなのうすつぼ 雛の臼壷 ゴマノハグサ科

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 ヒナノウスツボ、響きが良くて可愛い名前ですね。よい名前を貰った野草の代表格でしょう。それだけに実物を見たときのギャップというか、なんというか・・・は相当なものです。草丈30cmに疎らに咲く長さ1cmの茶色い花を見て雛の使う道具を連想されたようです。


 
 私だったらホシエビソウか、エビツリソウと名付けたと思います。可愛いかどうかは好みの問題として、ものすごく地味で渋ーい花です。しかし花柄が粘液で光り、開花後白い雌しべがにゅっととびだして来て、なかなか自己主張の強い野草です。

 「臼壷」って何やろ、どんな壷やろ?と前からちょっと気になっていましたので、百科事典で調べてみましたが、見つかりませんでした。臼型の壷のことでしょうか?でも臼にはどうしても見えません。あえて似ているといえば「墨壷」でしょうか?
 という事で、ひょっとして最初「雛の墨壷」と言っていたのが、どこかで間違えていつの間にか「臼壷」に定着したんではないか、と言ってみます。
 どなたか「臼壷」の正体をご存知の方はいらっしゃらないでしょうか?お茶の道具にありそうな名前ですが・・・。

 昨年人からいただいた種子から育てました。春蒔きで発芽率30%くらい、成長は早く発芽後3ヶ月で開花しました。サワオトギリという小型の野草と寄せ植えにしたら、なかなか風情があって良いものでした。種子が熟す間際に、台風の塩害で全滅させてしまい可愛そうなことをしました。
 
 つれあいにヒナノウスツボを覚えているか聞いて見ると、「『ぼのぼの』みたいなん?」と返事が返ってきました。
 それで思い出しましたが、蕾を正面から見ると『ぼのぼの』かアザラシみたいで、なかなか可愛いらしいのでした。画像がないか探してみましたが、残念ながら見つかりません。
 もしヒナノウスツボに出会う機会がありましたら、ぜひ蕾を探してご覧ください。

2005-5-22 追記
花図鑑のボロボロブログ!のサツキヒナノウスツボにトラックバックさせていただきます。
近似種サツキヒナノウスツボの詳しい解説と珍しい果実の画像がご覧になれます。

なんばんはこべ 南蛮繁縷 ナデシコ科

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 怪しい名前に妖しい姿。植物図鑑で初めてナンバンハコベの挿絵を見た瞬間、即座に私の見たい花リストのトップにランクされました。
 
 れっきとした日本の野生植物ですが、外来種と勘違いしてナンバンと冠したそうです。直径1.5cmの花に1m以上に枝を広げる蔓草を、ハコベの仲間と分類できたのですから、確かな学識の持ち主だったのでしょう。しかし命名者のイメージする南蛮というのは、どういう世界だったのかちょっと気になります。と言うか花の形から、西洋の紋章をイメージしたというほうが私的には納得します。
 ナデシコ科の植物では珍しく、花の後に黒い実がなります。画像の左端のは膨らんできています。蔓になるのも変わっています。しかしこれは他の草にもたれかかって伸びる程度で、厳密には腰が弱いノッポの草と呼ぶべきでしょうか。

 ナンバンハコベを初めて図鑑で見た翌日に意気込んでおんたけを歩いていると、路傍であっさりと見つかってしまいました。車道沿いの法面の斜面で、カナムグラやヒルガオと絡み合って、図鑑の通りの花を沢山咲かせていました。同行した家族にしきりに「これは珍しいで」と解説し、悦にいっていたのですが、間もなくおんたけではごく普通の雑草の類だと知れたのでした。一度気付くと何度も通った道端にいくらでも生えています。ほんと私は何を見てたんでしょうか。

 ナデシコの仲間は挿し芽ができるはず、と試してみたら、簡単に根付きました。種子は毎年蒔いてみるのですが、発芽成績は芳しくありません。発芽すれば栽培はとても簡単で当年開花します。
 
 水揚げが良いので切花にも良いと思います。実の頃に秋の草と混ぜ生けにすると、季節感が出て良い味がでます。南蛮なんて名前をつけられていますが、和風の取り合わせが良く似合います。

たこのあし 蛸の足 ベンケイソウ科?

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 国に絶滅危惧指定されて田んぼの雑草から一躍脚光を浴びる存在になりました。草丈は1mくらいになり、画像のように5mmほどで花弁もない地味な花を咲かせます。蛸が足を巻いているように見えますか?うちのはどちらかというと烏賊の足って感じでしょうか。
 ともあれケッタイな名前と珍奇であるということで、一気に有名になりました。「タコノアシ」と検索エンジンにかけるといくらでもヒットします。

 野生のものには出会ったことがありませんが、以前所属していた自然保護を目的とした種子交換サークルで入手した栽培品種子から育てています。埃のように細かい種子で大丈夫やろか?と思いましたが、春に蒔くとゾクゾクと発芽してきました。その後の成長も早くあっというまに30cm丈になって花が咲きました。秋に紅葉して茹蛸になるというので楽しみにしていたら、台風の塩害で葉が早々に落ちてしまいました。
 
 とにかく水飲みで、朝に受け皿をひたひたにして出かけても、夜には乾いてうなだれています。地下茎をばんばん伸ばしてやたらと芽を増やします。蔓延るとちょっとした沼地ならすぐに干上がってしまいそうな勢いです。千切れても泥の中から再生するタコのようにしぶとい草。
 でもタコだけに乾燥には滅法弱いタコノアシは、湿地がなくなると生きていけません。逃げ込んだ田んぼも除草剤で追われ、いつの間にか姿を消していきました・・・。
 ところが最近は無農薬農法の普及や、治水の考え方の変化から復活の兆しらしいです。
 たまに新聞で「絶滅危惧種タコノアシ見つかる」という記事を見かけます。
 我が家で増えまくったタコノアシも近所の川原に放流すると、「幻のタコノアシ復活・・・」と騒ぎが巻き起こるでしょうか?(しませんが)

 植物図鑑では、ベンケイソウ科と言われたり、ユキノシタ科に入れられたりしています。全体の印象がベンケイソウにそっくりですが、稀に現れる花弁のある花はユキノシタ科に似ています。でもDNA解析するとアリノトウグサに近縁ということになるらしいです。
 私はややこしいこと言わんと、もうタコノアシ科にしとけばエエと思います。そうすればみんなに名前を覚えてもらえて、この地味な目立たない野草がいつの間にか絶滅、というリスクが減るのではないでしょうか?
 

三河のエジソン

 ロゼットさんのつれづれ日記で『三河のエジソン』についての記事を拝見しました。
 記事で紹介されている加藤源重さんは事故で片手を不自由にされたのをきっかけに、当事者の視点から数々のアイデア補助具を開発され、感謝と尊敬をこめて『三河のエジソン』と呼ばれるに至ったそうです。
 とても考えさせられて、勉強になる記事だと思いましたので、勝手ながらこちらで紹介させていただきましたm(__)m。

 私の拙い説明でも興味をもたれた方は、偉い人がいるもんだ!をお読みになることをお勧めします。

さらしなしょうま 晒し菜升麻 キンポウゲ科

 新芽が強く臭います。カメムシとタイヤを足したような臭いです。
 毒草だが水で晒て毒抜きして食べたのでサラシナショウマといわれるそうですが、毒以前にこの臭いを抜く必要があったのではないでしょうか。わざわざ手間をかけてまで食べたのは、臭みも味の一つに数えたののか・・・。でもカメムシ系は慣れると癖になるかも、と思うのは私だけでしょうか?

 草丈があり大きな白い花穂が見ごたえがあるので、冷涼な地方では庭に植えられるようです。
 関西では伊吹山のツアーパンフレットの写真なんかでお馴染みの花です。伊吹山は花が多いので有名な山ですが観光客も多いらしいので、私は行ったことがありません。写真で見ると草原でサラシナショウマの大群生が人の背丈ほどに花穂を高く抜きん出て、素晴らしい眺めです。
 おんたけではどうかというと、伊吹山の写真そっくりの谷間の草原があって、お盆の頃にサラシナショウマが満開になって壮観なのですが、この数年間で私たち以外の人と出会ったことは一度しかありません。
 寂しいなーとも思いますが、人が大勢来ると恐ろしいことにならへんかなあ・・・と心配が先にたちます。


 
 標高の高い所では日当たりの良い草原に生えますが、下ると暑がりなのか谷地のような所を好みます。
 この白い花の美しさは、ほの暗い森の木陰や黄昏時に出会った時のほうが一層映えて美しく見えます。
 花には盛んに花蜂が訪れ、壊れやすい花は虫がとまるたびにぱらぱらと散っていきます。
 水揚げがよく切花に向きますが、紫がかった蕾の枝を使うと、順に咲き上がって長く楽しめます。花が散った後の姿も楽しみましょう。

うめばちそう 梅鉢草 ユキノシタ科

うめばち

 雪のように白い花弁とエメラルドグリーンの留め具のような蜜線が美しい。おんたけの高原には路傍にもところどころ群生していて、見とれた運転手が側溝に車を脱輪させたことがありました。
 梅鉢紋に本当にそっくりですが、自然の造形のほうが上をいっているようです。秋に地際から細い茎を伸ばします。光沢のある一枚の丸い葉を突き抜けて、さらに上へと伸びて、高さ15cmを超えてその先に3?の花が咲きます。秋風にゆらゆら揺れて誘われて、ついつい道を踏み外します。

 おんたけのとある所では草はらや道端で普通に見られます。ただしどんな所でもあるということでなく、水はけの良い酸性土壌を好む傾向があるかも知れません。
 自然での生育期間は短く、花に比して葉の部分が貧弱で、共生菌がいるのかな?とも思いますが、書籍等での言及はみたことがありません。
 殆ど隙間なく隣接した二つの土手で、片方にはウメバチソウが群生し、片方にはセンボンヤリという草がびっしりという場所があります。外見上は二つの土手の環境には変わりがないようなのに、どうしてそんなことになるのでしょうか。

 最も美しい野草の一つに数えられ、栽培株が出回りますが野に咲くものと比べると、どうしても見劣りがします。こればかりは本当の魅力を知りたければ、『やはり野に置け』のタイプの野草だと思います。
 しかし美しい花を手元で育てたくなるのは、どうしようもない人間の性です。育てて見たいという方は、種子を入手して一から育てるのが環境に順化して最も簡単なようです。園芸店で入手しても環境の変化に敏感なウメバチソウは、なかなか元気に育ってくれません。ましてや山から掘り取るなど論外でしょう。

 秋になるとウメバチソウの咲く草はらでは、土ごとえぐられた大きな穴がいくつも見つかります。人の性とは言え、やるせなくて出るのはため息ばかりです。
 しかし多くの場所では人間による刈り込みが行われないと、カヤ等との競争に敗れて姿を消していきます。
 人と自然の関係は複雑に絡みあっています

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まとめ

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