アケボノソウ リンドウ科センブリ属の2年草。
以前の記事で取りあげましたが、新たな画像が入りましたので補足させていただきます。あわせてご参照ください。
花弁が5枚あるように見えますが、根元で繋がっていて一枚の花弁が5裂したものです。リンドウの花の切れ込みが深ーくなって下まで裂けて平たく開いた状態です。蕾はリンドウのように先がねじれています。
花弁に見える2つの黄色い点からは蜜が分泌されていて虫を誘います。画像ではアリが見えますが、アリは花粉を運ばず蜜を横取りするだけですので、アケボノソウにとっては厄介者でしょう。
花弁は光の加減で開閉し、夜や悪天候時には閉じています。この特徴はリンドウ科の花には一般的に見られます。同じ仲間のリンドウは太陽に雲がかかるだけでも口を結びますが、アケボノソウはあまり敏感なほうではないようです。そもそも閉じていてもおしべが出しっぱなしですので、頭隠して・・・という感じです。
花は開花後1、2日ほどで再び閉じて、受粉した子房は花弁に包まれた状態で成長します。
開花後約3週間。花弁は次第に緑色を帯びますが枯れずに残っています。子房は膨らみ果実の中には小さな種子が充満しています。熟すと縦に2裂して種子が零れ落ちます。2年草ですので開花固体は結実後枯死します。
もしもこの野草を育ててみたいという方がいらっしゃったら、庭の増殖株から種子をお送りしますので、ご連絡ください。山で出会っても手折ったり、掘り取ったりということは間違ってもなさらないでください。2年草であるアケボノソウの1株が自生地から失われることは、次世代への影響がとても大きくなるのです。ロゼットの画像を用意してあったのですが、万が一盗掘の参考とされることをはばかって掲載を見送らせていただきました。
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